「海外クライアントとの電話会議についていけない」
「オンラインミーティングでネイティブスピーカーの英語が聞き取れない」
このような悩みを抱えるビジネスパーソンの方はいませんか?
特に、ネイティブスピーカーの会話は、話すスピードが速く、単語同士がつながって聞こえるため、コミュニケーションに不安を感じる方も多いです。
しかし、これらの悩みは「リダクション」と呼ばれる英語の音声変化を理解し、トレーニングすることで大幅に改善できます。
本記事では、英語のリダクションに関する基本的なルールから、実践的なトレーニング方法まで、ネイティブスピーカーの英語をスムーズに理解するための具体的なポイントを詳しくご紹介します。
この記事を読み終わる頃には、リダクションの仕組みを理解し、実践的な英語力を向上させるための効果的な学習方法を見つけることができているでしょう。
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リダクションとは?
リダクションとは、会話において生じる音の「脱落」や「弱化」を指します。
これらの音の変化が起こる主な理由は、より速く滑らかに話すためです。
(例)
例えば、「good job」という表現は、「グッドジョブ」ではなく、「グッジョブ」のように「d」の音が弱化して発音されます。
しかし、このような音声変化は英語だけにとどまらず、日本語でも見られるもので、「ありがとうございます」を「ありがとございます」と発音するといった具合です。
リダクションを理解することで、リスニング力が大幅に向上し、円滑なコミュニケーションが可能になります。特に、グローバルビジネスの場面で頻繁に使われる表現には、このような音の変化が多く含まれるため、ぜひマスターしていただきたいです。
英語のリダクションのルール
ネイティブスピーカーの自然な英語を聞き取るために、リダクションの主なルールを理解しておくことが重要です。
以下の5つの代表的なケースを押さえておけば、効率的にリスニング力を高めることができます。
- 単語の語尾が「破裂音」の場合
- 「破裂音+子音」の場合
- “h”で始まる動詞や助動詞の場合
- “ly”で終わる副詞が使われている場合
- 機能語(前置詞、冠詞、接続詞など)の場合
単語の語尾が「破裂音」の場合
英語の会話では、単語が「破裂音」で終わる場合、その音が弱くなったり、ほとんど聞こえなくなることがあります。破裂音は以下の6種類があり、とくに語尾で使用される際には注意が必要です。
破裂音 | 例 | リダクション時の発音 |
p | help | ヘルッ |
t | what | ワッ |
k | take | テイッ |
b | job | ジョッ |
d | good | グッ |
g | bag | バッ |
これらの音は完全に消えるわけではなく、小さな「ッ」として残ることが多いのが特徴です。
「破裂音+子音」の場合
以下のような「破裂音+子音」の組み合わせでは、最初の単語に含まれる破裂音がほぼ完全に消失する傾向があります。
フレーズ | 一般的な発音 | リダクション時の発音 |
good job | グッド ジョブ | グッジョブ |
take care | テイク ケア | テイッケア |
help me | ヘルプ ミー | ヘルミー |
that day | ザット デイ | ザッデイ |
下記の記事では、英語の子音についてさらに詳しく紹介しています。
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“h”で始まる動詞や助動詞の場合
“have”, “has”, “had”などの動詞・助動詞の”h”の音は、文章の中でほとんど聞こえなくなります。
フレーズ例は、以下の通りです。
フレーズ | 一般的な発音 | リダクション時の発音 |
I have to go | アイ ハフトゥ ゴー | アイ アヴ トゥ ゴー |
She has two | シー ハズ トゥー | シー アズ トゥー |
You have done | ユー ハブ ダン | ユー アヴ ダン |
should have | シュッド ハブ | シュダヴ |
could have | クッド ハブ | クダヴ |
“ly”で終わる副詞が使われている場合
「ly」で終わる副詞では、その直前にある「t」や「d」の音が消失するリダクションが起こります。これが適用される代表的な単語の例は以下の通りです。
副詞 | 一般的な発音 | リダクション時の発音 |
exactly | エグザクトリー | エグザクリー |
completely | コンプリートリー | コンプリーリー |
definitely | デフィニットリー | ディフェネリー |
rapidly | ラピッドリー | ラピッリー |
honestly | オネストリー | オネスリー |
機能語の場合
機能語とは、「and」「in」「the」のように、それ自体は具体的な意味を持たず、文法的な役割を果たす単語のことを指します。
英単語は大きく「内容語」と「機能語」に分類されます。
分類 | 品詞 |
内容語 | 名詞 動詞 形容詞 副詞 |
機能語 | 前置詞 冠詞 接続詞 人称代名詞 |
名詞や動詞などの文の中心となる語が「内容語」であるのに対して、前置詞や冠詞などの文をつなぐ役割を持つのが「機能語」です。それでは、以下機能語のリダクションについて、詳しく見ていきましょう。
- 前置詞
- 冠詞
- 接続詞
- 人称代名詞
前置詞
前置詞(on、in、atなど)は、文中では通常弱く発音されることが多いリダクションの代表的なケースです。これは、前置詞が文章をつなぐ役割を果たすものの、実質的な意味を持たないためです。以下の例のように、前置詞は通常の発音から大きく弱化します。
前置詞 | 通常の発音 | 例文(リダクション時の発音) |
on | オン | Put it on the desk(プッティッ アン ザ デスク) |
in | イン | It’s in my bag(イッツ アン マイ バッグ) |
at | アット | I’m at work(アイマット ワーク |
ただし、文頭に来る場合や特に強調したい場合(例:Come IN!)は、しっかりと発音することもあります。
冠詞
冠詞(a, an, the)は、文中でほとんど聞こえないほど弱く発音されることが特徴です。これは、冠詞が文の意味を補助する役割を持つものの、文全体の意味理解には大きな影響を与えないためです。以下の例のように、冠詞は通常の発音から大きく弱化します。
冠詞 | 通常の発音 | 例文(リダクション時の発音) |
a | ア/エイ | a book(ア ブック) |
an | アン | an apple(アヌ アップル) |
the | ザ/ジ | the desk(ザ デスク) |
ただし、「特定の〜」や「その〜」というように強調したい場合は、冠詞もしっかりと発音されます。例えば、「THE book you asked for(あなたが探していたその本)」という場合は、「ザ」とはっきり発音します。
接続詞
接続詞(and, but, or など)は、文中では非常に弱く発音されます。これは、前後の文脈から接続詞の役割が容易に推測できるためであり、聞き手の理解に影響を与えることがないからです。
接続詞 | 通常の発音 | 例文(リダクション時の発音) |
and | アンド | coffee and tea(コーフィー アン ティー) |
but | バット | nice but expensive(ナイス バ エクスペンシブ) |
or | オア | tea or coffee(ティー ア コーフィー) |
一方で、意見の対比や選択肢を強調したい場合など、接続詞が文中で重要な役割を果たす場合は、明瞭に発音されます。
“h”で始まる人称代名詞
人称代名詞の「he」「him」「her」などの “h” の音は、文中ではほとんど聞こえなくなります。これは、人称代名詞が文をつなぐ機能語としての役割を持ち、文脈から誰を指しているかが明確な場合が多いためです。
以下の例のように、”h”の音は通常の発音から大きく弱化します。
接続詞 | 通常の発音 | 例文(リダクション時の発音) |
he | ヒー | I think he is…(アイ シンク イー イズ) |
him | ヒム | I like him(アイ ライク イム) |
her | ハー | I saw her(アイ ソー アー) |
ただし、文頭に来る場合や人物を特定したい場合など、強調が必要な時は “h” の音はしっかりと発音されます。
リダクションが起こる理由
ネイティブスピーカーがリダクションを使用する根本的な理由は、効率的でスムーズな会話を実現することにあります。この音声変化は、人間の言語使用における合理性から生まれた現象です。その背景には、以下の3つの理由が挙げられます。
- 発音の効率化
自然な会話では、全ての音を明瞭に発音すると余分な労力が必要になります。特に頻繁に使用される単語や音の組み合わせでは、発音を省エネルギー化するために音が弱化したり脱落したりします。 - 会話のリズムの維持
英語の特徴である強弱のリズムを維持するために、重要でない部分や文法的機能を持つ単語が弱く発音されます。これにより、話し手と聞き手の間で自然なリズムが保たれます。 - 意味の重要度の差別化
文中で意味理解に重要でない音や単語は弱化され、聞き手は重要な情報に集中できるようになります。
このように、リダクションは単なる発音の「省略」ではなく、より効果的なコミュニケーションを可能にする言語の自然なプロセスなのです。
英語のリダクションを学ぶメリット
リダクションを学ぶことで得られるメリットは、リスニング力の向上とスピーキング力の向上という2つの大きな効果があります。それぞれのメリットについて、具体的に見ていきましょう。
- ネイティブスピーカーの英語が聞き取りやすくなる
- 滑らかに英語が話せるようになる
ネイティブスピーカーの英語が聞き取りやすくなる
リダクションを習得することで、ネイティブスピーカーの英語を格段に聞き取りやすくなります。これは、自然な英語の会話では、単語の一部が弱化したり省略されたりする音声変化が頻繁に起こるためです。
(例)
例えば、“What do you want to do?”という質問は、実際の会話では”Whaddaya wanna do?(ワダヤ ワナ ドゥ?)”のように発音されることが一般的です。
このような音の変化を理解していないと、たとえ個々の単語を知っていても、会話の全体像を把握することが困難になってしまいます。また、リダクションを習得すると、以下のような効果が期待できます。
- 速い会話での強弱のリズムや音の変化にも自然と対応できるようになる
- ビジネスシーンでの電話会議やオンラインミーティングでの英語の理解力が向上する
- 映画やニュースなど、様々な場面での英語の理解力が向上する
このように、リダクションの習得は、ネイティブスピーカーの英語を聞き取るうえで非常に重要なスキルです。
滑らかに英語が話せるようになる
リダクションを習得すれば、より自然でスムーズな英語を話せるようになります。音の省略や弱化を適切に行うことで、発話の負担が軽減され、会話にリズムが生まれるためです。
(例)
例えば、「I want to go to the station」をすべて明瞭に発音すると不自然になりがちですが、「wanna(ワナ)」のようなリダクションを用いることで、流暢さが増します。
同様に、「Could you(クッド ユー)」を「Couldja(クッジャ)」と発音するといった具合で、日常会話でよく使われるリダクションをマスターすれば、ネイティブスピーカーとも自然なやり取りが可能になります。
このように、リダクションは単なる音の短縮ではなく、効果的なコミュニケーションを支える重要な技術です。習得することで、英語の会話が格段にスムーズになり、自信を持って話せるようになるでしょう。
英語のリダクションを身につけるのに効果的な学習方法
リダクションを効果的に習得するためには、リスニングとスピーキングの両面からのアプローチが重要です。以下の4つの学習方法を組み合わせることで、効率的にリダクションを身につけることができます。
- 【リスニング】精聴
- 【スピーキング】音読
- 【スピーキング】シャドーイング
- 【スピーキング】オンライン英会話
それぞれの学習方法について、具体的な練習方法とポイントを解説していきます。
【リスニング】精聴
リダクションを身につける第一歩として、「精聴」と呼ばれる集中したリスニング練習が有効です。この方法では、音の変化やつながりに特に注目して英語を丁寧に聞き取ります。順天堂大学の研究によると、以下のアプローチでその効果が確認されています。
- 3~5分程度の短い教材を選び、2~3回繰り返し聞く
- スクリプトで内容を確認し、リダクションが起きている箇所を特定する
- 最初は学習用の音声教材から始め、徐々にTEDトークやニュースなどの実践的な教材へ移行する
- 自分の興味に合った題材を選び、学習を継続する
- 1回の学習時間は15~20分程度を目安とする
このように、短い教材を何度も丁寧に聞くことで、リダクションのパターンが自然に身につき、実践的なリスニングスキルが向上します。
下記の記事では、リスニングのコツについてさらに詳しく紹介しています。
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【スピーキング】音読
リダクションを習得するために効果的な方法の一つが「音読」です。スクリプトを見ながら実際に声に出して練習することで、英語特有の音の変化を自然に身につけることができます。
効果的な音読のポイントは以下の通りです。
- スクリプトで内容を確認し、文全体の意味を理解したうえで音読を始める
- ネイティブスピーカーの音声を聞き、その発音を真似ながら読む(シャドーイングを併用する)
- リダクションが起こりやすい箇所(破裂音や機能語など)に注意を払いながら練習する
- 最初はゆっくりしたペースで始め、徐々にスピードを上げていく
- 1回の練習は15分程度を目安に、定期的に継続する
このように、文の意味を理解しながら音読を繰り返すことで、リダクションを含む自然な英語の発音を身につけられるだけでなく、リスニング力の向上にもつながります。
下記の記事では、英語のスピーキングについてさらに詳しく紹介しています。
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【スピーキング】シャドーイング
リダクションを習得するために最も効果的な方法の一つが「シャドーイング」です。シャドーイングとは、英語の音声を聞きながら、ほぼ同時に声に出して真似る学習方法のことです。
石巻専修大学の研究でも、シャドーイングを行うことでリスニング力が向上し、英語の自然な発音やリズムが身につくことが確認されています。
効果的なシャドーイングの手順は次の通りです。
- まず音声を聞き、内容を大まかに理解する
- 小声でつぶやくようにシャドーイングし、音の流れに慣れる
- テキストを見ながら、音声と同時に声に出して読む
- 意味を理解したうえで、リズムやイントネーションに注意してシャドーイングを行う
- 自分の声を録音し、苦手な箇所を確認しながら修正する
- 1回の練習時間は15~20分程度を目安にし、継続する
このように、段階的に練習を進めることで、リダクションを含む自然な英語の音声変化を効率よく習得することが可能です。
下記の記事では、シャドーイングについてさらに詳しく紹介しています。
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【スピーキング】オンライン英会話
発音矯正に特化したオンライン英会話は、リダクションを効果的に習得するための方法としておすすめです。自宅で気軽に受講でき、ネイティブ講師が舌の位置や口の動きなど、発音に関する細かい点まで指導してくれます。
レッスンでは、単に発音を真似るだけでなく、リダクションが起こる理論や、実際の会話における活用方法まで学ぶことができます。コミュニケーションに自信がない場合でも、発音練習に特化したカリキュラムから始めることで、無理なく段階的にスキルを伸ばせるでしょう。
また、レッスン後の復習をしっかり行うことがポイントです。オンラインという環境を活かして、繰り返し練習することで、インプットとアウトプットを効率よく組み合わせられます。その結果、リダクションを含む自然な英語の発音を確実に習得できます。
下記の記事では、オンライン英会話についてさらに詳しく紹介しています。
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英語のリダクションを学ぶ際に注意すべき点
リダクションを学ぶ際に重要なのは、すべてのルールを一律に適用しないことです。リダクションは、話者の意図や会話の状況に応じて変化する柔軟な言語現象であり、単純なパターン化では捉えきれない部分があるからです。
(例)
例えば、機能語は通常弱く発音されますが、「You failed this time, BUT you can learn from it.(失敗したけど、そこから学べる)」のように、接続詞のbutを強調したい場合は、むしろはっきりと発音されます。
また、「Are you sure you put it ON the desk?(本当に机の上に置いたの?)」のように、前置詞のonを強調する場合も同様です。
このように、リダクションは単なる規則ではなく、話者が伝えたい意図によって変化する自然な言語現象として理解することが大切です。
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