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おすすめの英単語の覚え方5選!覚えられない理由ややりがちな失敗も解説

英語学習に取り組むなかで、「英単語を覚えようとしてもなかなか覚えられない」「勉強したのに忘れてしまう」と悩む方は少なくありません。英単語の知識は英語力を高めるために欠かせませんが、どれだけ勉強してもなかなか覚えられなければ、継続は難しくなるものです。

本記事では、英単語を覚えているとはそもそもどのような状態なのか定義したうえで、英単語がなかなか覚えられない理由やおすすめの覚え方をご紹介します。効率よく英単語を習得し、英語力向上につなげたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

もくじ

英単語を覚えている状態とは

「英単語を覚えている」と一言でいっても、その状態はさまざまです。読めばなんとなく意味がわかるとしても、文章や会話でアウトプットできるとは限りません。読んで分かるのと自分で使いこなせるのでは大きな違いがあります。英会話力を高めるために英単語を覚えるのなら、自分で使いこなせる状態まで持っていかなければなりません。

英単語の知識は大きく分けて、以下の2つに分類されます。

  • 受容知識:英語を読んだり聞いたりして理解はできるものの、自分では使いこなせない知識
  • 産出知識:ライティングやスピーキングで自由に使いこなせる知識

「英単語の意味は理解できるけれど、会話ではすぐに出てこない」という方は、産出知識が不足している状態です。以下、受容知識と産出知識の観点から「英語を覚えている」とはどのような状態なのか見ていきましょう。

読んで意味がわかる

まず、スペルを見て読めば英単語の意味がわかる状態です。「受容知識」として英単語を習得している状態であり、初めて覚える英単語で最初に目指すべきステップだといえます。文字として記載されていれば意味がわかるため、リーディングの際には十分な役割を果たします。

しかし、読んでわかるだけでは聞き取って瞬時に理解したり、ライティングやスピーキングで使いこなしたりすることはできません。英語学習の目的にもよりますが、日常会話やビジネスでよく使われる単語であれば、「読んでわかる」レベルで満足しているわけにはいかないでしょう。

従来の学校教育ではリーディングが重視され、アウトプットのための学習が不足する傾向にあります。そのため、英単語の学習を「読んで意味がわかる」状態で止めてしまう方が多いかもしれません。しかし、実践的な英語力を身につけたいなら、単語の習得レベルも引き上げていく必要があります。

聞き取れる

「読んで意味がわかる」状態になったら、次に目指すべきは「聞き取れる」状態です。せっかく英単語を覚えていても、「発音を正しく覚えておらず、リスニングで聞き取れなかった」という経験をした方は少なくないでしょう。

英単語を覚えるなら、発音もセットで習得することで「聞き取れる」状態まで持っていくのが理想です。「読んで意味がわかる」レベルから「聞き取れる」レベルにすることで、会話やニュースといったリスニングが必要な状況で活きる知識となります。

受験勉強などで英単語を学習する際、スペルを覚えるために語呂合わせで覚えた経験がある方もいるのではないでしょうか。たしかに語呂合わせはスペルを覚えやすいものの、正しい発音が身につきづらく、リスニングの際に支障をきたす可能性があります。英単語を覚える際は発音記号や音声をもとに正しい発音をインプットし、リスニングにも使える知識として身につけましょう。

ただし、英単語を「聞き取れる」状態であっても「自分で使える」状態とはまだ大きな隔たりがあります。前述の「受容知識」と「産出知識」でいえば、まだ「受容知識」の範囲内です。

自分で使える

英単語を聞き取れる状態になったら、最後に目指すべきなのが「自分で使える」状態です。覚えた英単語をライティングやスピーキングで的確に使いこなせるようになれば、「産出知識」として獲得できている状態になります。

自分で使える状態に達するためには、ただ日本語訳の意味を知っているだけでなく、英単語が持つニュアンスや頻出の言い回しなども把握しておかなければなりません。もちろん、動詞であれば過去形や過去分詞形などの変化も理解し、必要に応じて適切に使い分ける必要があります。

またスピーキングにおいては、覚えた英単語の発音を再現できることも重要です。発音やアクセントの位置を間違えば、スムーズなコミュニケーションが難しくなるでしょう。ネイティブのような発音にこだわる必要はありませんが、ネイティブ・ノンネイティブ問わず英語話者に伝わるレベルの発音は身につけておく必要があります。

英会話で使える英単語とは

ここでは、英会話で使える英単語とはどのようなレベルを指すのか、もう少し掘り下げて解説します。英会話における受容知識・産出知識の役割や、英会話を成り立たせるための5STEPをご紹介します。

英会話における「受容知識」と「産出知識」の役割

英会話においては、まず相手が言った内容を理解する必要があるため、幅広い「受容知識」が求められます。受容知識とは、前述の通り「英語を読んだり聞いたりして理解はできるものの、自分では使いこなせない知識」です。受容知識が十分にあれば、自分で使いこなせなかったとしても相手の意図や主張を正しく理解できます。

そして、自分の意図や主張を伝えるために必要なのが「産出知識」です。産出知識は、ライティングやスピーキングで自由に使いこなせる知識を指します。新しい単語帳を買って受容知識ばかり増やしても、覚えた英単語を運用するための産出知識が乏しければ、相手とのスムーズなやりとりは成り立ちません。

英単語学習において、受容知識のほうが産出知識より多くなるのは自然なことです。しかし、スムーズなコミュニケーションのためには、どちらかに偏りすぎないようバランスよく語彙力を育てる必要があります。

英会話の5STEP

5step

英語コーチングの「プログリット」では、英会話習得において以下の5STEPが重要だと考えています。

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英会話のステップ英語の技能内容・特徴
音声知覚リスニング英語の音声を聞いて、聞こえてきた単語やフレーズを認識する段階
意味理解リスニング聞こえてきた英語の単語やフレーズ、そして文章の意味を理解する段階
概念化スピーキング頭の中で何を言おうか考えている段階
文章化スピーキング自分の気持ちや意思を英語の文章に置き換える段階
音声化スピーキング英語の文章化された自分の気持ちや意思を口に出して音声にする段階

まずは相手の英語を聞き取るリスニングのパートとして「音声知覚」と「意味理解」があり、その後に自分の意見を発するスピーキングのパートとして「概念化」「文章化」「音声化」があります。

リスニングにおける「音声知覚」は、その名の通り英語の音声をキャッチするプロセスです。そして、キャッチした音声の内容を理解するのが「意味理解」です。リスニング力の向上には、音声の知覚をできるだけ自動化し、脳のワーキングメモリの多くを意味理解に割くことが重要になります。

スピーキングにおいては、まず「概念化」のステップで表現したい内容を頭の中で考えます。そして、考えた内容を英語の文章として組み立てる「文章化」を行ったあと、最後に音声として口から発音する「音声化」によって相手に届けるという流れです。

上記の5STEPにおいて重要なのが、英単語・文法・例文などで構成される「知識のデータベース」です。英会話においてさまざまな内容を聞き取り、意見を発するためには、知識のデータベースをしっかりと蓄積していく必要があります。

英単語の習得という観点では、まず発音とセットで英単語を覚えることで、自動的に音声知覚ができる状態に持っていきます。そのうえで、シャドーイングや口頭英作文などを繰り返し、文章化や音声化がスムーズにできる状態にすることで、データベースに「使える知識」として蓄積されていきます。

知識のデータベースが不足している状態では、5STEPにおける各プロセスのスキルはなかなか向上しないでしょう。英語学習の初級者であれば、英単語や文法の学習によってデータベースを拡充することが最優先になります。ただし、上級者なら学習しなくてよいという訳ではありません。一定のコミュニケーションが成り立つようになったら、習得する英単語のレベルを上げるとともに、アウトプットの精度も上げていく必要があります。

5ステップについてもっと知りたい方はの記事もご覧ください。

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英単語が覚えられない理由

英単語をなかなか覚えられない理由としては、以下の5つが考えられます。

  • 学習のペースがよくない
  • 発音を覚えていない
  • 用法を確認していない
  • 関連づけて覚えていない
  • 復習を怠っている

それぞれ詳しく見ていきましょう。

学習のペースがよくない

適切なペースで学習できていないと、英単語習得の効率が悪くなります。「早く語彙力をアップさせたい」と、短期間に大量の英単語を覚えようとする方もいます。しかし、ペースを上げれば上げるほど1つの単語あたりにかける時間が短くなり、覚えた単語をどんどん忘れてしまうため、記憶に定着しません。

逆に、「確実に覚えよう」とわずかな英単語だけに集中するのもあまりおすすめできません。対象の英単語は覚えられるものの学習ペースが遅いため、「これだけ勉強して50個だけか」などと挫折してしまう可能性が高くなります。

目安としては、1,000語程度が収録された単語帳を2〜3ヶ月でマスターするといったペースがよいでしょう。最適なペースには個人差があるものの、詰め込みすぎたり少なすぎたりしないよう学習ペースをコントロールすることが大切です。

発音を覚えていない

発音を覚えていないことも、英単語をすぐに忘れてしまう理由の1つです。英単語を覚える際、単語帳に書かれている情報を目で読むだけでは印象に残りづらいでしょう。耳で聞いたり口に出したりすることで、五感を活用でき、より記憶に残りやすくなるといわれています。

また、発音を伴った学習であればリスニングやスピーキングにもそのまま活かせるため、英会話に使える知識として身につけることが可能です。スペルや意味を覚えていても、発音がわからなければリスニングの際に認識できません。スピーキングの際にも、相手にうまく伝わらない可能性があります。せっかく英単語を覚えるなら、五感をフル活用することで定着度合いや知識レベルの向上につなげましょう。

用法を確認していない

英単語の意味やスペル、発音を覚えていても、「実際にどのような使い方をするのか」「どのようなニュアンスを含んでいるのか」といった点を理解していなければ、使いこなすのは難しいでしょう。用法もセットで確認していないと、せっかく英単語を覚えても実戦では使えません。

単語帳のなかには、その単語が含まれるフレーズや実用的な例文が掲載されているものもあります。用法をセットで覚えることで、実際に聞いたり使ったりする場面がイメージでき、定着度合いが高まります。

関連づけて覚えていない

英単語を覚える際には、関連する情報とセットで覚えることも大切です。英単語のスペルと意味を眺めるだけでは、記憶のフックとなるものが少ないためすぐに忘れてしまうでしょう。英単語に限らず、何かを記憶するときはほかのものと関連づけて覚えるのが効果的とされています。

単語帳を選ぶ際には、各英単語の類語や対義語、派生語などが掲載されているものを選びましょう。英単語を覚えるとき、「〇〇と同じ意味の単語」「△△と反対の意味の単語」「□□はこの単語の派生語」などと関連する情報をインプットすれば、記憶に残りやすくなるうえ、芋づる式に単語の知識を増やせます。

復習を怠っている

どれだけ新しい英単語を学んでも、適切なタイミングで復習しなければすぐに忘れてしまいます。「エビングハウスの忘却曲線」によると、人間の記憶は20分後には約4割が失われるとされています。しかし、適切なタイミングで復習を重ねることで、短期記憶が長期記憶に変わり、時間が経過しても使える知識として定着し続けるのです。

単語帳に目を通すことで覚えたつもりになっても、ほとんどは短期記憶であり、すぐに消えてしまいます。少し期間を空けながら4回、5回と同じ単語に触れることで、英単語の知識を脳に定着させていくことが大切です。

おすすめの英単語の覚え方5選

学習を効率化するには以下5つの方法があります。

  • 発音とセットで覚える
  • 例文をチェックする
  • 英作文で使う
  • イラスト(イメージ)で覚える
  • 語源の知識を身につける

順番に見ていきましょう。

発音とセットで覚える

英単語を覚える際は、スペルや意味と発音をセットで覚えましょう。前述した通り、五感を使って英単語を覚えると、記憶に残りやすくなると考えられています。単語帳やアプリの音声データを活用すれば、目で読んで覚えるだけでなく耳で聞いて覚えられるため、より効率的に英単語を習得できるでしょう。

正しい発音を一緒にインプットすれば、リスニングの際に瞬時に音声知覚ができます。また、スピーキングを行う際も正しく音声化できるため、自分の意見や主張が相手に伝わりやすくなります。

学校教育の英語学習では、しっかり発音を学ぶ機会はあまり多くありません。英単語を学ぶと同時に、個々の発音記号や、単語同士がくっついたときに起こる音声変化のルールなども改めて学び直しておくと、より正確な発音ができるようになります。

英語の発音やリズムを体得するための学習方法としては、「シャドーイング」が挙げられます。シャドーイングは、英語の音声を聞きながら影が追いかけるように少し遅れてマネをする学習方法です。単語帳の音声データを使ってシャドーイングすれば、発音とセットで英単語を覚えられます。

例文をチェックする

英単語を覚える際は、必ず例文をチェックする習慣をつけましょう。スペルと日本語訳を見ただけでは、実際にどのように使うかがイメージしづらいはずです。例文に目を通して用法を理解できれば、ニュアンスも含めて英単語を理解できるようになります。

英単語の理解が深まるため、リーディングやリスニングでその英単語に遭遇した際、スムーズに意味を理解できるようになるでしょう。前述のシャドーイングを単語帳の例文音声で行なえば、用法もセットで覚えられます。

英作文で使う

「産出知識」として英単語を習得したいなら、英作文で使ってみるのがおすすめです。覚えた英単語を使って自分で英作文をすれば、単に知っている状態から使える状態にまで高められます。

英作文をするためには、例えば動詞の場合なら過去形・過去分詞形がどのようなスペル・発音かや、セットで使う前置詞はどれかなど、細かい知識が求められます。覚えた英単語を使って英作文をすることで、その英単語にまつわる周辺知識も身につくため、より実用的な語彙になるでしょう。

英作文を効率よく行うには、口頭英作文をするのがおすすめです。口頭英作文なら文章を書く必要がないため短時間でできるほか、スピーキングにおける「文章化」の能力も鍛えられます。

口頭英作文(瞬間英作文)の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

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イラスト(イメージ)で覚える

なかなか覚えられない英単語は、イラストやイメージを使って覚えましょう。すぐに記憶に定着する英単語もあれば、何度復習してもなかなか覚えられない英単語もあるはずです。その場合、イラストやイメージを使えば、記憶を強化しやすくなります。

Googleの画像検索で覚えたい英単語を検索すれば、その英単語のイメージに合う画像が大量にヒットします。視覚的な要素が加わることで、記憶に残りやすくなるはずです。

単語帳を使っている場合は、イラストを描き込んでみるのも1つの手です。ただし、手間と時間がかかってしまうため、イラストやイメージを使うのはどうしても覚えられない英単語に限定するとよいでしょう。

語源の知識を身につける

語源の知識を身につけることも、英単語学習を効率化してくれます。英単語には接頭語・語根・接尾辞といった単語を構成するパーツがあり、さまざまな意味を表しています。

以下、代表的な接頭語・語根・接尾辞をご紹介します。

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接頭語意味英単語の例
in-中にinclude(~を含める)、income(所得)、induce(~を引き起こす)、infect(~に感染させる)、inject(~を注射する)、internal(内部の)
ex-外にexceed(~を超える)、except(~を除いて)、exchange(~を交換する)、express(~を表現する)、external(外部の)、expedite(~を促進させる)
re-再び・後ろへreborn(再生した)、reconsider(~を考え直す)、remind(~に思い出させる)
co-ともにcoworker(同僚)、communicate(連絡する)、coexist(共存する)、cooperate(協力する)、coincidence(偶然)、collaboration(協業)
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語根意味英単語の例
spect見るaspect(側面)、expect(~を期待する)、prospect(見込み)、suspect(~を疑う)、respect(~を尊敬する)、inspect(~を調査する)
tract引くattract(~を魅了する)、contract(~を収縮させる)、retract(~を引っ込める)、extract(~を抽出する)、distract(~の気を散らす)
sist立つassist(~を手伝う)、insist(主張する)、exist(存在する)、consist(成り立つ)
pendぶら下げるdepend(頼る)、expend(~を消費する)、suspend(~を一時的に止める)
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接尾語意味英単語の例
-able〜できるacceptable(受け入れられる)、available(利用できる)、credible(信じられる)、movable(動かせる)、visible(見える)
-ful〜で満ちたbeautiful(美しい)、wonderful(すばらしい)、helpful(役に立つ)、thoughtful(思慮深い)、harmful(有害な)、graceful(優雅な)
-less〜がないhelpless(無力な)、timeless(永遠の)、reckless(無鉄砲な)、useless(役に立たない)、countless(無数の)
-ic〜的academic(学術的な)、basic(基本的な)、economic(経済の)、historic(歴史的な)、graphic(図形の)、automatic(自動の)

語源を1度覚えてしまえばさまざまな英単語に応用できるため、知らない英単語も意味を推測できる可能性があります。腰を据えて英単語学習に取り組むなら、語源の知識を身につけるのは有効な手段だといえます。

英単語の勉強方法は何がいい?

ここでは、英単語の勉強方法として以下4つのアプローチをご紹介します。

  • 本(単語帳)
  • スマホアプリ
  • 単語カード
  • その他の英語コンテンツ

それぞれの勉強方法のメリットや特徴を見ていきましょう。

本(単語帳)

本(単語帳)を使って学習する方法は、英単語学習の王道といえるでしょう。市販の単語帳には、大学受験や資格学習、日常英会話、ビジネス英語など目的に応じたさまざまなものがあります。それぞれのジャンルで必要な語彙がまとめられているため、英単語を効率的に学習できるでしょう。

市販の単語帳を購入するときは、音声ダウンロードが可能なものやCD付きのものを選ぶのがおすすめです。また、英単語と日本語訳だけではなく、例文やよく使われるフレーズ、類義語・対義語・派生語などが掲載されているものを選べば、より実践的な知識を身につけられます。

スマホアプリ

近年はスマートフォン用の英単語学習アプリもラインナップが充実しています。市販の単語帳と同様、ジャンルごとに特化したものがあるため、学習目的に合わせて選べます。

アプリによって機能は異なるものの、音声つきのものや、クイズ形式で問題に挑戦できるものを選べば英単語習得が捗るでしょう。なかには間違えた英単語を自動でリスト化する機能を備えたアプリもあり、効率的な学習が可能となります。スマートフォン1つで学べるため、移動中や休憩時間などすきま時間に学習しやすい点もスマホアプリならではのメリットです。

ただし、単語帳と比べると単語ごとの情報量は少ない傾向にあります。また、情報量が多い場合でもスマートフォンの画面では見づらいケースがあるため、事前によく確認しましょう。

単語カード

単語カードは、小さなカードの表に英単語、裏に日本語訳を書き込み、リングに通して使用するものです。学校のテスト勉強や受験勉強などで使ったことがある方も多いのではないでしょうか。

カードをめくるだけでクイズ形式の復習ができるため、すきま時間を使って手軽に学習を進められます。覚えた英単語をリングから外していけば、なかなか覚えられない英単語だけを集中的に学習することも可能です。

ただし、カードの作成自体に手間がかかる点や、サイズ的に例文や関連情報の掲載が難しい点はデメリットです。好みによるものの、効率よく学習したいなら単語帳やアプリのほうがよいといえるでしょう。

その他の英語コンテンツ

英単語学習といえば単語学習に特化した教材を探しがちですが、英語コンテンツならどのようなものでも語彙の習得に役立てられます。

例えば、TOEICのスコアアップを狙っているならTOEICの問題集、仕事で使える英単語を身につけたいなら関連する情報誌などを活用できるでしょう。映画やYouTube、podcastなどの動画・音声コンテンツなら、楽しみながら英語に触れ、新たな語彙を習得できます。興味があるジャンルなら、記憶にも残りやすいでしょう。

より実践的な英語力が磨ける一方で、英単語を網羅的に学ぶのが難しい点には注意しましょう。単語帳やスマホアプリでの学習をメインにしつつ、補足的に用いるのがおすすめです。

効率的な英単語学習のコツ

英単語を覚える際には、以下4つのコツをおさえて効率よく進めましょう。

  • 復習のサイクルを決める
  • 頻出の英単語に絞る
  • 音声を使って復習を効率化する
  • 短時間でテンポよく復習を進める

順番に詳しく解説します。

復習のサイクルを決める

効率的に英単語を覚えるために、復習のサイクルを決めておきましょう。せっかく時間を割いて英単語を覚えても、復習するまでに期間が空きすぎると記憶から抜け落ちてしまいます。

例えば、学習直後・24時間後・1週間後・1ヶ月後などと徐々に間隔を広げながら復習することで、長期記憶として定着しやすくなります。自分なりの復習サイクルを決め、記憶が完全に失われてしまう前に繰り返し触れるようにしましょう。

頻出の英単語に絞る

頻出の英単語に絞って学習することも大切です。語彙は多いに越したことはありませんが、必要以上に難しい単語帳に手を出してしまえば効率的な学習は難しくなるでしょう。覚えた単語と実際に遭遇する機会が少ないため、せっかく時間をかけて覚えたとしても忘れてしまう可能性が高くなります。

英語学習の目的に合わせ、出現頻度の高い英単語だけを厳選して学習に取り組みましょう。英会話力を高めたい方は、特に「産出知識」を着実に増やすことが大切です。覚えた英単語を「受容知識」から「産出知識」へと昇華させ、使いこなせる単語数を増やすことが英会話力の向上につながります。

音声を使って復習を効率化する

復習する際は、音声を使った復習を取り入れることで学習の効率化を図りましょう。忙しい社会人や学生が効率的に英単語を学習するには、すきま時間やながら時間を有効活用するのがおすすめです。音声を使った復習なら、通学中や通勤中、家事をしている間、入浴中など、手が離せないときでも耳だけを使って英単語の復習ができます。

音声を使った学習は記憶に残りやすいうえ、正しい発音を身につけるためにも効果的です。復習を効率化しながら正しい発音を習得しましょう。

短時間でテンポよく復習を進める

学んだ英単語の復習は短時間でテンポよく行いましょう。1つの英単語にじっくり時間をかけたとしても、学習初期の段階では翌日や数日後には忘れてしまいます。そのため、1つの英単語に時間をかけるより、短時間の復習を何度も繰り返し行うほうが効果的です。

「1つの英単語のスペル・発音・例文・関連語・フレーズにさっと目を通し、口頭英作文をしたらすぐ次の英単語に移る」というように、スピーディーにテンポよく復習を進めましょう。

英単語学習でやりがちな失敗とは

英単語学習においては、以下のような失敗例がよく見受けられます。

  • 単語帳を読むだけになっている
  • スペルの語呂合わせで覚える
  • ノートにひたすら書く
  • 単語数を増やすことにこだわる

非効率な学習にならないよう、注意点を押さえておきましょう。

単語帳を読むだけになっている

単語帳を読むだけになっていると、いくら時間をかけてもなかなか英単語は覚えられません。受験勉強をしたとき、単語帳をひたすら読むことで英単語を覚えた経験がある方も多いのではないでしょうか。しかし、前述した通り単語帳を読むだけでは記憶に残る情報が少ないため、定着しづらいといえます。

発音とセットで覚えるために音声を使ってシャドーイングしたり、実践で使うことを意識して口頭英作文を行ったりすれば、英単語を覚えながら音声知覚や文章化、音声化のトレーニングを同時に行えます。五感を使うことで記憶にも定着しやすくなるでしょう。英単語学習を効率化するとともに、リスニング力やスピーキング力も鍛えられます。

スペルの語呂合わせで覚える

スペルの語呂合わせで覚える方法も、英単語を覚えられない方がしてしまいがちな失敗です。語呂合わせはたしかに楽しいものの、カタカナ発音やローマ字読みをベースにしたものが多く、正しい発音が身につかないといったデメリットがあります。また、英語の試験や英会話の場面では瞬時に理解する必要があるため、語呂合わせの内容を思い出す暇がありません。

発音や例文、関連語などさまざまな観点から記憶を強化すれば、語呂合わせに頼らなくても英単語は覚えられます。周辺知識もあわせてインプットすることで記憶に定着させましょう。

ノートにひたすら書く

英単語を覚えるため、ノートにひたすら書くという方法をとる方もいるでしょう。もちろん人によって覚え方の好みは異なるものの、書くという行為自体に時間や労力がかかるため、効率がよいとはいえません。かけた時間や労力に対し、覚えた英単語の数が少なければ、挫折につながりやすくなります。

英単語学習は短時間でテンポよく復習するほうが効率的です。ノートに書くのではなく、単語帳をめくったり音声を聞いたりといった方法でどんどん復習を進めましょう。

単語数を増やすことにこだわる

単語数を増やすことにこだわってしまうのも、英語学習者がやりがちな失敗です。単語数を増やすことだけにこだわると、英単語学習自体が目的となってしまいます。その結果、出現頻度の低い難しい英単語にまで手を広げ、うろ覚えの言葉ばかりになってしまう可能性があります。

必要な英単語を厳選したうえで、初めて見る単語は受容知識、すでに知っている単語は産出知識になるよう学習を進めていきましょう。

英単語学習を習慣化するコツ

単語学習のあるあるとして、なかなか学習が続かないということが挙げられます。

何度も同じ単語を繰り返す中で、学習に飽きてしまったり、続かないことがあると思います。

その際に、学習を習慣化することが必要です。

習慣化の3ステップを取り入れる

プログリットでは、行動経済学の観点から、学習の習慣化に対して3つのステップを提唱しています。具体的に、以下の三つを繰り返し行うことが求められます。

  • トリガー(=行動が生じるきっかけ)
  • 行動(=目標とする行動)
  • 報酬(=行動によって得られるもの)


「トリガー」とは行動が生じるきっかけで、日常の小さな習慣や特定の場所・時間がこれに該当します。次に「行動」目標とされる具体的な行為であり、心理的・物理的・知識的な障壁が少ないほど、特定の行動を継続させやすくなります。「報酬」行動を続ける動機付けとなるもので、直接的かつ多面的な報酬が効果的です。これらのステップを学習に適用することで、習慣化を促進し、より効率的に目標を達成することができます。

この「習慣化の3ステップ」に関して、この記事では詳しく解説をしております。具体的に3ステップを英語学習の継続にどう繋げるかを知りたい方はこちらの記事をご確認ください。

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英単語の覚え方まとめ

本記事では、英単語を覚えているとはそもそもどのような状態なのかや、英単語をなかなか覚えられない理由、おすすめの覚え方をご紹介しました。

英単語を覚えていると一言でいっても、「読んで意味がわかる」「聞き取れる」「自分で使える」の3段階があります。英会話で使いこなせる「産出知識」にするためには、「自分で使える」状態になるよう、シャドーイングや口頭英作文によって理解を深めることが大切です。

英単語学習によって知識のデータベースをしっかり蓄積すれば、英会話の5STEPに必要な能力も同時に向上させられます。正しい発音を理解していることでリスニングの際の「音声知覚」が自動化され、用法を理解していることでスピーキングの際の「文章化」がスムーズになるはずです。

「産出知識」を増やすためには、シャドーイングや口頭英作文による学習が効果的ですが、うまくできるどうか不安に感じる方もいるでしょう。効率的かつ着実に英語を身につけたいなら、語学学習のプロによるコーチングがおすすめです。自分に合った勉強方法の選定や学習計画の作成、定期的な成果チェックなど、学習の習慣化や効率化につながるサポートが受けられます。

英語コーチングのプログリットなら、まずは無料でカウンセリングが受けられます。60分で現在の英語力を診断し、英語学習の課題や3カ月でどの程度話せるようになるかの目安をお伝えすることが可能です。効率的に英語を身につけたい方は、ぜひお気軽にお申し込みください。

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Maho|監修者
カリキュラム責任者
慶應義塾大学文学部英米文学専攻卒。新卒で航空会社に入社し、CAとして国内線・国際線に3年間乗務。その後、海外で生活しながら本格的に英語を学びたいという想いから、夢だった大学院留学を決意。オーストラリアに渡り、応用言語学・英語教授法(TESOL)修士号を取得。株式会社プログリットで英語コンサルタントを経て、現在はカリキュラム責任者としてプログリットのカリキュラム開発を行う。
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