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多読で英語脳に!多読の効果的なやり方を徹底解説!

英語学習の一つとしてよく聞く多読。しかし、ただ読めばいいわけではありません。多読には「効果的なやり方」が存在します。せっかくやるなら効果的な方法で多読をして、効率的に英語力を伸ばしていきましょう!この記事では多読の効果的なやり方について詳しく解説しています。

もくじ

多読とは?

多読と聞くと、「たくさんの文章を読む」とシンプルに考えていないでしょうか?

しかし、「効果のある多読」には、守るべきルールが、実はあります。

この記事では、多読の効果的なやり方を徹底的に解説していきます。併せて、多読と精読の違いや多読の効果についてもお伝えします。

是非この記事を活用して、「効果的に」たくさん本を読んで、英語力アップを図りましょう!

多読と精読の違い

まずは、多読と精読の違いからご説明します。

多読とは

多読とは、大量の理解できる文章を読むことでアウトプット(スピーキングやライティング)に使用できる知識を蓄えることです。

この「理解できる文章」というのがポイントです。
どういうことかというと、文法や基本的な単語を理解できていない状態で多読はできないのです。

例えば以下の文章を読んでみて下さい。

(例)
I like dogs.

「私は犬が好きです」と日本語で意味を考えましたか?おそらく考えなかったのではないでしょうか。このように、「理解できる文章」を大量に読むのが多読です。

しかし、「I」、「like」「dogs」のそれぞれの意味を知らないと、上記の文章でさえ理解することはできません。

したがって、多読を行う前に基本的な文法(最低でも中学で習う英文法)、中学終了レベルの単語力は身につけておいたほうが、効率的に多読をすることができます。

精読とは

精読とは、少量の「理解できていない」文章を分析的に読み進めていくやり方です。
そのため、精読においては一つひとつの単語のニュアンスや、文法的な用法などを精査し、その文章が意味するところを100%理解しようと努めます。

以下の文章を使って具体的に説明します。

(例)
He denied the fact that it was known to her.

この場合、主語は「He」、「denied」が動詞、「the fact」が目的語です。さらに「that it was known to her」の部分は接続詞thatを使った同格名詞節で、「the fact = that it was known to her」となります。

日本語に訳すと、以下のようになります。

彼は、彼女がそれを知っているという事実を否定した

このように精読では、文意を間違いなく理解するために文法的用法にまでこだわって文章に向き合います。

多読と精読の違い

多読とは「理解できる文章」を大量に読むことでした。

それに対して精読とは、「理解できていない文章」を分析的に読むことでした。
言い換えると、あなたの英語レベルに合った文章を読むのが多読であり、あなたの英語レベルより高いレベルの文章を読むのが精読だといえます。

ここまで、多読とは何か、精読とは何かについて詳しく説明してきましたが、大切なのは、それぞれの特徴を知ることで、学習を効率的に行うことです。

多読には多読の効果があり、精読には精読の効果があります。

簡単にお伝えすると、精読は新しい知識を獲得するのに効果的です。多読については次の見出しで詳しくご説明します。

多読の効果

多読の効果は大きく2つあります。

  1. 英語脳になる効果
  2. リスニング力がアップする効果

一つずつご説明します。

英語脳になる効果

多読には英語脳になる効果があるといわれています。

ではなぜ多読をすることによって英語脳になれるのでしょうか?

ここでは多読の効果を科学的な知見に基づいてご説明していきます。やや専門用語が多くなるので、苦手な方は読み飛ばしていただいても構いません。

なぜ多読には英語脳になる効果があるのか

記憶は、大きく分2種類に分けることができます。

短期記憶と長期記憶です。
短期記憶とは、文字通り覚えている時間が短い記憶(数秒)のことで、長期記憶とは覚えている時間が長い記憶(分、月、年)のことです。

そして、長期記憶は顕在記憶と潜在記憶に分類できます。
顕在記憶は意識的に思い出す必要がある記憶で、テスト前に単語を大急ぎで覚えて、テストが終わったら忘れてしまう単語は顕在記憶といえます。
それに対して潜在記憶は意識的に思い出す必要がない記憶で、自転車の乗り方や歯の磨き方などは潜在記憶といえます。

ところで、みなさんは英語を理解するとき、意識的に思い出していますか?それとも無意識でしょうか?
先程例として挙げた2つの例文を改めて見てみましょう。

(例)

①I like dogs.

②He denied the fact that it was known to her.



おそらく多くの方は、①は無意識に理解できるでしょう。しかし②を無意識に理解できる方はそう多くないのではないかと思います。

では、なぜ①は無意識に理解できるのに、②は無意識に理解できないのでしょうか?

それは、これまでに何度何度も繰り返し似たような単語、文法に触れてきたため、①は潜在記憶になっており、無意識に理解できるからです。②が無意識に理解できないのは、繰り返しが少ないため顕在記憶のままだからです。

つまり、すでに持っている知識を反復的に使用すること(認知心理学では反復プライミングと呼ばれています)で、顕在記憶を潜在記憶化することができます。

多読では、大量の「理解のできる」文章を読むことで、何度も同じ表現や単語、文法に出会います。このことが顕在記憶の潜在記憶化を促進し、英語を英語のまま理解できる英語脳を手に入れるのに役立ちます。

リスニング力がアップする効果

多読には英語脳になる効果があることがわかりましたが、英語脳になることによって、リスニング力のアップも期待できます。

英会話の習得プロセスを具体化した「英会話の5ステップ」を基にすると、リスニングは大きく「音声知覚」と「意味理解」に分けることができます。

多読は、どちらのステップの向上に役立つのでしょうか?

5step
英会話のステップ英語の技能内容・特徴
①音声知覚リスニング英語の音声を聞いて、聞こえてきた単語やフレーズを認識する段階
②意味理解リスニング聞こえてきた英語の単語やフレーズ、そして文章の意味を理解する段階



音声知覚とは、apple(エァポゥ)と発話された音をそのままapple(エァポゥ)と聞き取ることで、意味理解とは、appleを赤い果物(日本語で言うとりんご)と認識することです。
多読は、この意味理解を強化するのに有効だと言われています。

先程の英語脳の話を思い出してください。英語脳とは英語を英語のまま理解することでした。
英語を英語のまま理解できない場合、私達は以下のようなプロセスを経て英語を理解しようとします。

英語の音が聞こえる⇒日本語に高速で置き換える⇒意味を理解する

しかし、英語脳であれば、以下のようなプロセスになります。
英語の音が聞こえる⇒意味を理解する

いかがでしょうか?多読によって英語脳を手に入れることで、「日本語に高速で置き換える」ことなく英語を英語のままで理解できるようになり、その分意味理解のスピードが速くなります。つまり、リスニング力がアップすることになるのです。

この5ステップについての詳しい情報や段階ごとの英語学習の方法などについて知りたい方は、こちらの記事もご参考ください。

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多読の効果的なやり方①辞書を引かない

ここまで多読とは何かや多読の効果についてご説明してきました。
ここからは、効果的な多読のやり方についてです。まずは「辞書を引かない」についてです。

なぜ辞書を引いてはいけないのか?

理由①レベルが合っていない

しつこいですが、多読とは何かについてもう一度確認してみましょう。
多読とは、大量の理解できる文章を読むことでした。

「理解できる文章」。つまり、多読をする本などは、すでに理解できている単語や文法で構成されたものなければなりません。
「辞書を引く」ということは、わからない単語があるということですので、上記の「理解できる文章」に当てはまらない可能性があります。

もちろん、すべての単語を知っている必要はありませんが、多読中に知らない単語がでてきても、辞書は引かずに推測することをおすすめします。
推測できない場合は飛ばしてしまいましょう。
わからない単語が多すぎる本は、「理解できる文章」で構成されていない可能性が高いため、別の本に切り替えましょう。

ちなみに、多読をする際の理解度は7〜9割程度がいいとされています。完璧に理解できていなくても、大体理解できているな、と思える本を選ぶのがポイントです。

理由②モチベーションが下がる

辞書を引かなければ読めない=レベルが合っていない、ということを先ほど書きました。

レベルが合っていないとどうなるかというと、全然理解ができないためモチベーションが下がってしまう可能性があります。

多読は楽しみながら進めていくことがポイントなので、辞書なしでも読めるものを選びましょう!

多読の効果的なやり方②返り読みしない

多読の効果的なやり方の2つ目は、返り読みをしないことです。

詳しくご説明します。

なぜ返り読みしてはいけないのか?

返り読みとは、英語を日本語の語順で理解しようとすることです。

例えば、「a friend of mine」という英語のカタマリを読んだときに、「A of BはBのAだから、mineのa friendで、私の友達という意味だ!」とやってしまってはいけません(笑)

「a friend of mine」をそのまま前から順番に読んで意味理解をしていくことが重要です。

英語を英語のまま理解する英語脳になるには、最初は辛くても前から順番に、英語の語順で理解していくようにしましょう。

どうしても返り読みをしてしまうという方は、一度スラッシュリーディングを練習して、英語の語順で読むのに慣れてから多読を始めると良いでしょう。

以下の記事はスラッシュリーディングについて詳しく解説していますので、返り読みをしてしまう人は必読です。

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多読の効果的なやり方③興味のあるものを選ぶ

多読の効果的なやり方の3つ目は「興味のあるものを選ぶ」です。

詳しく見ていきましょう。

なぜ興味のあるものがいいのか?

多読の際に、興味のあるものを選んだほうがいいのには、2つの理由があります。

理由①動機づけにつながる

みなさんは、日本語の文章を読む時、興味のあるものと興味のないものだとどちらを読みたいと思いますか?

もちろん、興味のあるものですよね。

興味のないものを我慢して読み続けても継続ができませんし、そもそも「多」読は、多く読む必要があるわけですから、興味のあるものを選んで、しっかり継続していくことを心がけましょう。

ちなみに、本を読みはじめて「面白くないな」と感じたら、そこで読むのをやめても大丈夫です。別の興味のある本を読みましょう!

理由②背景知識を利用できる

興味のある分野だと、そもそもの背景知識があるため、興味のない分野に比べて内容理解をすることが容易です。

また、背景知識があることによって、知らない単語や表現を推測することもできます。

多読におすすめの書籍・サイト

ここまで多読の効果的なやり方について解説してきました。

次に、多読をするのにおすすめの書籍やサイトをご紹介していきます。

多読におすすめの書籍:ラダーシリーズ

ビル・ゲイツ・ストーリー (ラダーシリーズ レベル5)

参考価格: 1,100円

ラダーシリーズは、1〜5のレベルに分かれており、それぞれのレベルは以下のようになっています。

レベル1: 中学校で学習する単語 約1000語
レベル2: レベル1の単語+使用頻度の高い単語 約300語
レベル3: レベル1の単語+使用頻度の高い単語 約600語
レベル4: レベル1の単語+使用頻度の高い単語 約1000語
レベル5: 語彙制限なし

引用元: https://www.ibcpub.co.jp

ご自分のレベルに合わせて、興味のあるものを選べるので、多読に非常に適しています。

また、ラダーシリーズのようにレベル分けされている多読用の本は他にもありますが、あまりこだわりすぎる必要はありません。

一番大切なのは、「レベルが合っていて、かつ興味が持てる本であること」です。

本屋に行くと多読用の英語本のコーナーがあるかと思いますので、そこから上記の条件を満たす本を選びましょう!

多読におすすめのサイト:多読の森

多読の森は、先程ご紹介したラダーシリーズのような多読用の本をスマホやパソコンで読むことができるサイトです。

多読の森に無料登録すると、1ヶ月に3冊まで読むことができます。
ただ、少し集中的に多読を行いたいなら、1ヶ月に3冊だと少なすぎるので、有料版を使用するといいでしょう。

多読の森にはいくつか料金プランがありますので、ご自分のニーズに合わせて選択しましょう。
また、多読の森は多読だけでなく、聞き取りのための音源もありますので、多聴をしたい方やシャドーイングのトレーニングをしたい方にもおすすめです。
多読の森に興味を持たれた方は、是非公式HPをのぞいてみてくださいね!

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多読の効果的なやり方 まとめ

この記事では、多読の効果的なやり方について解説してきましたが、いかがでしたか?

最後に記事でご紹介した3つの多読の効果的なやり方を復習しておきましょう!

多読の効果的なやり方

  • 辞書を引かない(7〜9割理解できるものを読む)
  • 返り読みをしない(英語を英語のまま理解する)
  • 興味があるものを読む(面白くなかったら読まない)

多読は英語力をアップさせるのに非常に効果的なトレーニングです。

是非、みなさんも実践してみてください!

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参考文献

白井恭弘(2013)『英語はもっと科学的に学習しよう』 中経出版
門田修平(2014)『英語上達の12のポイント』コスモピア
伊藤和夫(1997)『英文解釈教室』研究社
廣森友人(2015)『英語学習のメカニズム』大修館書店
鹿取廣人/杉本敏夫/鳥居修晃(2015)『心理学[第5版]』東京大学出版会

Maho|監修者
カリキュラム責任者
慶應義塾大学文学部英米文学専攻卒。新卒で航空会社に入社し、CAとして国内線・国際線に3年間乗務。その後、海外で生活しながら本格的に英語を学びたいという想いから、夢だった大学院留学を決意。オーストラリアに渡り、応用言語学・英語教授法(TESOL)修士号を取得。株式会社プログリットで英語コンサルタントを経て、現在はカリキュラム責任者としてプログリットのカリキュラム開発を行う。
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