
「自分がアップデートされていく感覚が楽しい」
そうお話されるのは、株式会社マネーフォワード 取締役執行役員 グループCHOの石原千亜希氏。
エンジニア職の英語公用語化をはじめ、“英語×〇〇”の掛け合わせでグローバルな挑戦を続ける石原氏。プログリットでの英語学習を通じて気づいた「正しい努力」とは──。
石原 千亜希氏
株式会社マネーフォワード 取締役執行役員 グループCHO
2011年 公認会計士試験合格。2012年より有限責任監査法人トーマツに入所。
2015年に会計士登録。2016年に株式会社マネーフォワードに入社。上場後は経営企画部長・IR責任者に。 2021年に人事に主務を移し、
2023年 グループCHOに就任。
PROGRIT PRIMEは、プログリット代表の岡田が、世界で活躍する日本のビジネスリーダーの皆様に、「なぜ今、英語を学ぶのか」その背景や想いを伺う番組です。
本記事では、対談の一部を抜粋しお届けしています。
全対談は、ぜひ下記動画でご視聴ください!
目次

語学×会計の掛け算でニッチな存在に
岡田:石原さんは独自のキャリアを築いていらっしゃいますよね。まず、大学で外国語を専攻されていたところから、公認会計士を目指すというというところから意外な選択に思えるのですが、どういった経緯があったのでしょうか?
石原氏:高校時代から勉強の中で英語が一番好きだったんですが、受験で東京に出てくるタイミングで、英語の塾講師から「東京には英語ができる人はいっぱいいるから、違うことを学んだ方がいいのでは」という助言をもらって。大学では世界的に使われている言語であるフランス語を専攻しました。
ただ、学んでいくうちに、このまま語学だけを広げても限界があると感じ始めて、違う切り口の専門性を持っていた方が将来役立つのではと考えていました。
そのタイミングで当時アメリカに留学していたんですが、ホテルでインターンをする機会があって、「経理をやってもらうかもしれないから、英語で勘定科目を覚えてきて」と言われたんですね。それをきっかけにいろいろ調べてみると、日本の会計士は英語が苦手な人が多いと知って、「じゃあ英語ができる会計士になればニッチで市場価値が出せるかも」と。
まったく違うステップに見えるかもしれませんが、私の中では割と一貫しています。「グローバル」という軸があり、そのプラスアルファとして会計があるイメージです。
岡田:なるほど。語学と会計の掛け算で、ニッチな存在になることを意識されての選択だったんですね。そこから監査法人で4年間勤務された後、マネーフォワードへ転職されていますが、当時まだ上場前でしたよね。どんな理由でご決断を?
石原氏:「自社のサービスを社会に届ける」側で働きたいと思いました。お金の計算も家計簿も好きですし、会計サービスにも馴染みがある。創業4-5年目で、勢いのあるB to CとB to Bの両方のサービスを展開しているのが珍しく、将来性を感じて入社を決めました。
岡田:監査法人とベンチャー企業では、文化も全く違いそうです。ギャップはありましたか?
石原氏:もちろんありました。スピード感もすごくはやいですし。完璧に何かをする、というよりマネーフォワードでは“走りながら変えていく”というスタイルでした。
岡田:お話を伺っていると、これまでは、戦略的にキャリアを積んでこられた印象ですが、転職後は変化を楽しむスタンスに変わっていったということですね。
石原氏:まさにそうです。監査法人の時は、とても楽しくやりがいのある仕事でした。
ただ、だんだん3年後、5年後の自分の未来が見えてきてしまって…
なので、次は“未来が全くわからない場所”に飛び込むことにしたんです。
岡田:上場前の混沌とした時期にあえて飛び込んだということですね。
石原氏:はい。何が起こるか分からない環境で、自分の可能性を広げたいと考えていました。本来はしっかり準備したい性格ですが、人から「やってみたら?」と言われたことはあまり断らずに、とりあえずやってみるようにしています。何か新しいことには、できるだけ挑戦するということは心がけています。

熱量の高いチームをつくっていくには、人と人との信頼関係が欠かせない
岡田:マネーフォワードさんでは、エンジニア職を中心に英語を公用語化されていますよね。これはかなり大きな意思決定だと思うのですが、どういう背景があったのでしょうか?
石原氏:当時から、日本国内でのエンジニア採用は非常に難しくなっていました。需要と供給がまったく合っていない状況の中で、特に東京では採用競争が激化していました。そうした中で、「国籍や言語の壁を取っ払って、想いを共有できる優秀なエンジニアと一緒に働きたい」と考えて、それが、英語公用語化を決めた最初のきっかけです。
岡田:実際に導入していくとなると、かなり大変なプロジェクトだったのでは?
石原氏:はい、本当に大変でした(笑)。しかも、「日本語を問わない採用」は、ある日突然始まりました。当時、私がちょうど人事に異動したタイミングだったんですが、気づいたら「もう採用しちゃいました。秋に入ってきます」と(笑)。もちろん、しっかりと議論した末の決断でしたが。
岡田:さすがのスピード感ですね。
石原氏:ただ、日本語要件を外しただけで、応募数が10倍に伸びました。そして、単に数が増えただけではなく、スキル的にも非常に優れた方が多かった。これはもう「やるべきことだ」と確信しました。そこからは、どうやって社内を変えていくか?というフェーズに入りました。
岡田:最近はAIや自動翻訳がどんどん進化しています。特にエンジニアの方々なら、テクノロジーでコミュニケーションの壁を超えることもできると思いますが、それでも「英語を学ぶ必要がある」と考えるのは何故でしょう?
石原氏:テクノロジーの力はどんどん使うべきだと考えています。もちろんAIなども活用しています。しかし、熱量の高いチームをつくっていくには、人と人との信頼関係が欠かせませんし、人同士のコミュニケーションを全てAIに置き換えることは、難しいと考えています。自分の言いたいことを伝え、良いチームにするために、英語の学習は必要だと考えています。

正しい努力をしないと英語力は絶対上がらない
岡田:石原さん自身の英語学習に関してもお聞かせください。TOEICは980点を取得されていて、語学にむしろ自信がある方なのではないかと思うのですが、プログリットを受講するのはどういうきっかけがあったんでしょうか?
石原氏:自分の英語力をキープしたいと考えていたんですが、大人になってからの勉強ってなかなかブーストしないというか・・・オンライン英会話など色々と試しましたが、自分の実力値が上がっている実感がありませんでした。
一方で仕事では、当時は海外の投資家と直接やり取りをして、会社の財務状況を伝えていくという、重要な役割も担っていたこともあり、英語力を高めたいと考えるようになっていました。
その時にプログリットのカウンセリングを受けたんです。診断を通して、自分ができていない点の原因や具体的に何をすれば良くなるかをロジカルに伝えてくださり、ブーストの道筋が明確に見えたことが、受講の決め手でした。
岡田:ありがとうございます。受講中は1日2.5時間の学習をしていらっしゃいましたよね。
ご多忙の中、どう時間を捻出したのでしょう?
石原氏:細かい時間を活用していました。「単語」「シャドーイング」などプログラムを小分けにして、パズルのように勤務中・お風呂・就寝前などの隙間時間に配置しました。「集中が要るもの」と「ながらでもできるもの」を使い分け、週単位で帳尻を合わせられるように調整していましたね。
岡田:素晴らしいですね。それでも、お仕事も家庭もあり、大変な状況での受講だったと思います。モチベーションが下がった時期などはなかったですか?
石原氏:受講の後半は妊娠中で。体調がつらい日も多かったです。それでも続けられたのは、コンサルタントの伴走があったからです。毎日シャドーイングを送ると、良かった点と改善点が具体的にフィードバックされる。体調にも気を遣っていただき、しっかり向き合ってくださいました。AIや独学だけでは続いていなかったと思います。

努力の方向性が明確に見えた
岡田:ありがとうございます。我々も状況をできるだけ理解しサポートするので、ご自身の状況をお話いただいたことが大きいと思います。既に高い英語力をお持ちだった石原さんが、受講を通して感じた成長や変化はありましたか?
石原氏:変化としては、努力の方向性が明瞭になったことです。正しい努力をしないと英語力って絶対上がらないなと思いました。毎日のフィードバックが的確で具体的。無駄に同じことを繰り返さないことが良かったです。
例えばシャドーイング。シャドーイングは大事とは知っていましたが、実際にやってみた時に、私は復唱のタイミングが速すぎて、ほぼ暗唱になっていました。コンサルタントから「3秒遅らせて話してください」と指摘をいただき「耳でとった音を口に出す回路」が鍛えられました。それで、リスニング力が大きく向上して、連結音(リエゾン)の聞き取りがクリアにできるようになりましたね。あとは、英語でプレゼンする場面の心理的ハードルが下がって、発言に自信が持てるようになりました。
振り返ってみると、辛いよりも楽しくて日々、自分がアップデートされていく感覚がありました。
岡田:ありがとうございます。実際に体験した石原さんから観て、プログリットはどんな人に合うと思いますか?
石原氏:忙しい人ほど合うと思います。英語を効率的に正しいやり方で積み上げることができます。コンサルタントの伴走とプログラムの設計があるので、限られた時間でも成果に直結すると思います。

「できなかった自分を覚えている」石原氏の成長の哲学
岡田:石原さんはどんどんご自身をアップデートされている印象があります。「成長」に対する考え方、哲学があれば教えてください。
石原氏:私は「成長そのものを楽しめるタイプ」なんだと思います。
それは、「あの頃の自分はここができなかったな」というのをしっかり記憶しているのが大きいのかなと。
岡田:なるほど。過去の自分を覚えているから、今の成長が実感できる。
石原氏:「あの時できなかったことが、今できるようになった」という感覚を味わえるのがすごく嬉しいんです。定期的にそれを振り返って「成長したな」と感じる瞬間が、私にとっての喜びです。だから、ふとしたときに「できることが増えたな」と感じて、ちょっとニヤニヤしています(笑)。
岡田:「できることが増える」こと自体を楽しんでいらっしゃるのですね。
石原氏:はい。単純に「できることが増える」って楽しいですよね。
マネーフォワードがグローバル化していく中で、言語を超えてメッセージを発信したり、時には厳しい話を英語で伝えたり――あの時の学びがなければ、今の自分はなかったと思います。
岡田:最後に、これから英語を学ぼうと思っている方へメッセージをお願いします。
石原氏:今、AIがどんどん進化していますよね。だからこそ、「英語はもう機械に任せればいいんじゃない?」と思う人もいると思います。
でも私は、人と人とのコミュニケーションはAIには代替できないとても大事なことだと思います。特に聞く力、話す力は高めておいて損はない。プログリットさんでは、レベルに応じた丁寧なサポートをしていただけるので、とてもおすすめです。

全対談は、ぜひ下記動画でご視聴ください!
記事では書ききれなかった石原氏が語る英語学習やキャリアの考え方などついては、ぜひ下記動画をご覧ください!