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It is 〜 that… だけじゃない!実務で使える強調構文と実践フレーズ10選

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なぜビジネス英語で「強調構文」が重要なのか?

英語がある程度話せるようになった中級者以上の方が、次にぶつかる壁の一つが「伝えているはずなのに、相手に響かない」「印象に残らない」という課題です。特にビジネスの現場では、単に情報を正しく伝えるだけでなく、重要な点を強調し、聞き手の注意を引く技術が求められます。

「伝える」から「印象づける」へ──強調構文が果たす役割

強調構文とは、文字通り文中の特定の要素を強く印象づける文法構造です。
例えば、以下のようなニュアンスの違いを比べてみてください

  • 通常文:We launched the new product last month.
  • 強調構文:It was last month that we launched the new product.

同じ情報でも、後者の文では「last month(先月)」を際立たせ、相手の記憶に残りやすくなります。

これは、ビジネス英語におけるプレゼンテーション・営業トーク・戦略報告・交渉など、あらゆる場面で使える強力なスキルです。

プレゼン・会議・メールで「強調」は武器になる

たとえば、上司に向けた報告で「何が重要なのか」を端的に示すとき、または顧客への提案で「なぜその提案がベストなのか」を説得力を持って伝えるとき、強調構文を使えるかどうかで成果に差が出ます。

強調構文は書き言葉だけでなく話し言葉として活用することで、スピーキングの説得力・印象度を大きく高めることができます。

「It is 〜 that…」だけじゃない、強調構文の基礎と応用

強調構文と聞いてまず思い浮かぶのは、おそらく以下のような形式ではないでしょうか?

It is [強調したい語句] that [残りの文]

この形式は「形式主語構文」とも呼ばれ、英語の中でも非常に使いやすく、ビジネス現場でもよく登場します。しかし実は、強調の方法はこれだけではありません。まずは基本を押さえつつ、応用表現にも目を向けてみましょう。

ビジネス英語でよく使われる強調構文パターン

1. It is 〜 that…(形式主語を使った強調)

It was our team that led the project to success.
(成功に導いたのは私たちのチームでした)

→ チームを強調したいときに有効な構文。プレゼンや評価報告などで使いやすい。

2. What 〜 is …(What構文による強調)

What we need is a more flexible strategy.
(私たちに必要なのは、もっと柔軟な戦略です)

→ 要点を端的に伝えたいときに有効。社内会議や改善提案で効果を発揮。

3. 強調副詞(only, even, never, just, quite など)

We only discovered the issue yesterday.
(その問題に気づいたのは昨日だけです)

→ 限定や強調のニュアンスを自然に添えることができ、会話で頻出。

強調できるのは「主語」だけではない

強調構文では、主語だけでなく、以下の要素も自在に強調可能です:

強調対象例文
主語It was Mr. Tanaka who closed the deal.
目的語It is this document that needs revision.
時間It was last quarter that sales peaked.
場所It was in Singapore that we held the meeting.
原因It was because of the delay that we missed the deadline.

これらを理解して使い分けることで、より洗練された英語表現が可能になります。

仕事ですぐ使える強調構文フレーズ10選

ビジネスの現場では、ただ事実を述べるだけではなく、「何を」「どこを」「なぜ」強調したいのかを明確に伝える力が求められます。ここでは、会議・プレゼン・メールなどでそのまま使える強調構文のフレーズを10個厳選してご紹介します。

会議・プレゼンで使えるフレーズ

1. It was our customer feedback that led to the product update.

和訳:製品改良につながったのは、私たちの顧客からのフィードバックでした。

解説
It was 〜 that ... の基本的な強調構文で、「何が」要因だったのかを強く印象づける表現。プレゼンで改善の根拠を示す際に効果的です。

2. What we need is a more data-driven approach.

和訳:私たちに必要なのは、よりデータに基づいたアプローチです。

解説
What 〜 is ... という構文で、「必要なのは○○だ」と言いたいときに便利。会議で問題解決の方向性を明示する場面で使えます。

3. It is because of the tight deadline that we had to simplify the process.

和訳:そのプロセスを簡略化せざるを得なかったのは、納期が非常に厳しかったからです。

解説
理由を強調する構文。It is because of 〜 that ... で、「なぜそうしたのか」を説得力を持って説明したい場面に最適です。

4. It is not the cost but the scalability that concerns us.

和訳:私たちが懸念しているのはコストではなく、拡張性のほうです。

解説
「AではなくBだ」という対比を際立たせる強調構文。相手の誤解を訂正したり、議論の焦点を修正したいときに有効です。

5. It was during the second quarter that we saw the biggest growth.

和訳:最も大きな成長が見られたのは、第2四半期でした。

解説
「いつ起きたか」を強調する表現。業績報告や進捗プレゼンで使うと、数字に説得力を持たせられます。

メール・レポートで使えるフレーズ

6. It is our top priority that all teams are aligned.

和訳:すべてのチームが足並みを揃えることが、私たちの最優先事項です。

解説
組織としての優先順位を強調する表現。上司や関係部署への説明メール、レポートで効果的に使えます。

7. What makes this solution unique is its customizability.

和訳:このソリューションを独自たらしめているのは、そのカスタマイズ性です。

解説
What makes 〜 is ... の構文で「他と何が違うのか」を明確に示します。製品紹介や提案資料にぴったりです。

8. It is in this context that the decision was made.

和訳:このような文脈において、その決定は下されました。

解説
背景や前提を強調する構文。誤解を避けたいときや、判断理由を丁寧に説明したいときに適しています。

9. What I would like to highlight is the long-term benefit.

和訳:私が強調したいのは、長期的な利益です。

解説
What I would like to highlight is ... は、プレゼンやメールの中で「ここがポイントです」と伝えたいときに自然に使える表現です。

10. It is exactly this kind of challenge that drives innovation.

和訳:まさにこのような課題こそが、イノベーションを生む原動力なのです。

解説
「exactly」「this kind of challenge」などを使って、力強く前向きなメッセージを伝えるときに効果的。チームの士気を上げたいときにも有用です。

これらのフレーズは、暗記しておくだけでなく、自分の業務に合わせて言い換えることで「伝える力」を大幅に高めることができます。強調構文は、ビジネス英語をワンランク上に引き上げる武器ということができます。

誤解を避ける!強調構文の注意点と、実務で英語を使う人の使い方のコツ

強調構文は、文の中で重要な部分を際立たせる便利な構文です。ただし、正しく使わないと不自然な英語になってしまったり、意味が伝わりにくくなったりする可能性もあります。

このセクションでは、英語を実務で日常的に使っているビジネスパーソン(例えば外資系社員、海外営業担当、ネイティブの上司とのやりとりが多い方)が意識している、自然で効果的な使い方のコツと、よくある間違いを詳しく解説します。

注意点①:強調できない語句を無理に使わない

例:間違った使い方

It was happy that I felt yesterday.
(誤訳:昨日、私はうれしかった)

→ この文は不自然です。なぜなら、「happy(うれしい)」という形容詞は、強調構文の中で単体で取り出して強調するのに適していないからです。

正しい文にすると:

It was yesterday that I felt happy.
(私がうれしかったのは昨日です)

→ このように、「いつうれしかったのか(=yesterday)」という“時間”を強調する構文にすれば、自然で明確な英文になります。

ポイント:
強調構文で取り出せるのは、主に以下のような「名詞句」「副詞句」です:

  • 人(主語・目的語)
  • モノや事柄(目的語)
  • 時間や場所(副詞句)
  • 原因や理由(副詞句)

「形容詞」や「感情」など、主語や動詞の一部になる表現を強調しようとすると不自然になります。

注意点②:「that以下」が正しい文になっているか確認する

強調構文では、that の後ろはもとの文と同じ完全な文でなければいけません。

誤った例:

It was in this meeting that discussed the issue.

→ 一見正しそうに見えますが、「discussed」の主語が省略されていて文法的に不完全です。

正しい形:

It was in this meeting that we discussed the issue.
(その課題を話し合ったのは、この会議でした)

解説:
「that以下」は「we discussed the issue」という完全な文になっており、主語(we)と動詞(discussed)が明確にそろっています。ここを疎かにすると意味が通じなくなってしまいます。

注意点③:「関係代名詞のthat」と混同しない

強調構文で使われる that は、「関係代名詞のthat」と文の構造が似ているため、混同されがちです。

用法文構造の例文
強調構文のthatIt was Mr. Sato that gave the final approval.
(最終承認を出したのは佐藤さんでした)
関係代名詞のthatThe person that gave the final approval was Mr. Sato.
(最終承認を出した人は佐藤さんでした)

解説:

  • 強調構文は、「It is/was 〜 that…」の形で特定の情報を目立たせるために使われます。
  • 関係代名詞の that は、先行詞を修飾する節を作るために使われます。

どちらもよく使う構文ですが、主語の位置や語順の違いに注意することで、正しく区別できます。

英語を実務で使う人が意識している3つのコツ

① 強調すべきポイントを文脈で判断する

  • 例:会議では「原因」や「担当者」を強調した方が伝わりやすい
  • 無理に毎回強調構文を使うのではなく、「何を相手に印象付けたいか?」を意識して使い分ける

② 発話では声の抑揚とセットで使う

  • スピーキングでは、強調構文の箇所をゆっくり・はっきり言うことで伝わり方が変わる
  • 音声の「間」や「トーン」も重要な要素

③ 書き言葉では簡潔さを意識する

  • メールや資料では、強調構文を使いすぎると文章が回りくどくなる場合も
  • 本当に伝えたい部分だけに限定して使うことで、逆に効果が高まる

話す英語で「説得力」が上がる!強調構文のスピーキング活用術

英語で「言いたいことは伝えているつもりなのに、いまいち相手に響かない」と感じたことはありませんか?
特にスピーキングでは、ただ文法的に正しい英語を話すだけでなく、「どこを一番伝えたいのか」を明確にする構成力と表現力が重要です。

そこで活用したいのが 強調構文。話し手の意図を際立たせる構文であり、プレゼン・会議・交渉などのあらゆるビジネスシーンで効果を発揮します。

なぜスピーキングに強調構文が効くのか?

聞き手の「理解」と「記憶」に残る

英語のネイティブスピーカーは、話すときに「声の強弱」「スピード」「間(ポーズ)」などを巧みに使って、聞き手の注意をコントロールしています。一文の中に“抑揚(イントネーション)”をつけることが、説得力を生む鍵なのです。

強調構文は、文の中で「ここがポイントです」と示す“設計図”のような役割を果たします。自然とその部分にアクセントを置くことができ、聞き手の記憶に残りやすくなります。

例:

It was last Friday that we finalized the contract.
(契約を最終決定したのは、先週の金曜日でした)

→ この文では「last Friday」に軽く“間”をおいて、声を少し強めることで、聞き手は「その日が重要だったのだ」とすぐに理解できます。

独り言英会話で「口に出して強調する力」を育てる

強調構文は知識として理解するだけでなく、とっさに口から出せるようにすることが実践力に直結します。
そのために効果的なのが、1人でできるトレーニング「独り言英会話(=1分間スピーチ)」です。

練習例

テーマ:印象に残った今週の出来事
例文(強調構文を使用):
It was during the Q3 budget meeting that I realized the importance of cost visibility.
(コストの見える化が重要だと気づいたのは、第3四半期の予算会議のときでした)

→ このように、「どの瞬間がきっかけだったのか」を明確に伝えることで、話の内容がより具体的・説得的になります。

独り言英会話(=1分間スピーチ)について詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

意見や主張を堂々と伝える武器になる

強調構文は、以下のようなスピーキングの場面でとても効果的です。

  • 英語会議での発言
     →「何が重要だったか」を端的に示す
     → It is transparency that builds trust.(信頼を築くのは透明性です)
  • プレゼンテーションでの結論提示
     → What I want you to remember is the long-term benefit.
     (皆さんに覚えておいてほしいのは、長期的な利益です)
  • 提案時の差別化ポイント
     → What makes our solution unique is its ease of implementation.
     (私たちのソリューションが特別なのは、導入のしやすさです)

どれも、ただ事実を述べるのではなく、「何を強調したいのか」をはっきり示すことで、相手に“伝わる英語”になります。

強調構文+発声テクニック=伝わる話し方に

強調構文を活かすために、話すときは以下を意識してみてください:

テクニック解説
ポーズ(間)を入れる強調する語の前に軽く1秒止まるだけで、聞き手の注意を引けます。
声の強弱をつける強調する部分を“少し大きめ・はっきり”言うことで、印象が残ります。
語尾を落ち着ける文末は落ち着いて言うと、自信がある印象を与えます。

強調構文を使って自然に話せるようになるには、毎日少しずつでいいので“声に出す”ことが大切です。自分の経験を英語で語る練習をするときや朝の準備中や通勤中に「1分間英語スピーチ」を試すときに、強調構文を意識して使うだけで、あなたの話し方は大きく変わっていきます。

おすすめのスピーキングアプリ「スピフル」

強調構文をスピーキングで自在に使えるようになるには、ただ「知っている」だけでは不十分です。繰り返し声に出して使い、さらにフィードバックを受けながら精度を高めることが重要です。

とはいえ、忙しいビジネスパーソンにとって、「毎日練習する時間を確保する」「自分で正しい使い方をチェックする」というのは、なかなか難しいものです。そこでおすすめなのが、ビジネス英語スピーキング特化型アプリ「スピフル」です。

スピフルなら、強調構文を“話して・直して・身につけられる”

1日30分。スマホ1台でできる「話す」ための学習設計

スピフルでは、「瞬間英作文」で日本語から英語への変換力(瞬発力)を鍛え、
「独り言英会話」で自分の言葉で話すアウトプット力
を磨きます。

このアウトプット練習では、強調構文のような高度な構文を自然に組み込めるスピーキング力が身につきます。

独り言英会話(1分スピーチ)では、AIが自動であなたの英語を文字起こし・添削してくれます。たとえば以下のようなことがわかります。

  • 強調構文が文法的に正しく使われているか
  • より自然な英語にするための言い換え案(例:「It is important that…」よりも「What matters most is…」など)

つまり、話す→添削→改善というサイクルが1人で完結します。
スピフルについて詳しく知りたい方は以下の記事も併せてご覧ください。

まとめ

ビジネスの現場で求められる英語力は、「間違えずに話す」だけでは不十分です。
自分の主張や考えを、明確に、的確に、そして印象的に伝える力こそが、信頼や成果につながるコミュニケーションの鍵となります。そのための強力な武器が「強調構文」です。
It is 〜 that… に代表される構文を正しく使いこなすことで、相手の注意を引き、言いたいことを的確に印象づけることができます。とはいえ、こうした構文を実際の会話やプレゼンの中で自然に使いこなすには、知識だけでなく反復練習とフィードバックによる“定着”が不可欠です。日々の練習で「強調構文」を取り入れてみましょう。

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Daisuke|監修者
プログリットのカリキュラム開発部:PGUマネージャー
英語コンサルタントを経験後、英語学習に関するデータ分析や自然言語処理・音声処理技術を用いた専用カリキュラムの設計・アルゴリズム開発に従事。現在は、「最高の英語学習を追求し、サービスをアップデートする」チーム(Learning Labs)で、応用言語学や第二言語習得論などの学術的観点と最新AI技術などテクノロジーの両面からサービス開発・改善に携わっています。
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