外資系企業や海外求人への応募を検討している方にとって、英語の履歴書(レジュメまたはCV)の作成は避けて通れない重要ステップです。
しかし、日本語の履歴書とは構成も書き方も大きく異なるため、「何から手をつければいいのかわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、英語の履歴書の基本的な書き方から、実際に使える表現例・テンプレート・提出前のチェックポイントまで、初めてでも安心して作れるように体系的に解説します。
外資系転職や海外就職を目指す方、インターン・留学申請を控えている方にも役立つ内容となっています。
「通用する英文履歴書」を自信を持って提出できるよう、ぜひ最後までご覧ください。
英語の履歴書とは?日本語履歴書との違いを理解しよう
英語の履歴書(ResumeまたはCV)は、日本の一般的な履歴書とは構成・表現・評価されるポイントが大きく異なります。最初にこの違いを理解しておくことで、英語履歴書の作成がスムーズになります。
レジュメとCVの違いとは?
多くの人が混同しがちな「Resume(レジュメ)」と「CV(Curriculum Vitae)」ですが、アメリカ・カナダではResume、イギリスやヨーロッパではCVが一般的に使われます。
項目 | Resume(レジュメ) | CV(カリキュラム・ヴィタエ) |
---|---|---|
長さ | 1〜2ページ | 制限なし(学術職は数ページ) |
内容 | 職務・スキル中心 | 学歴・研究実績中心 |
使用場面 | ビジネス職、一般職 | 研究職、教育職、学術申請 |
日本人がビジネス職として外資や海外企業に応募する場合は、通常「Resume」形式で問題ありません。
日系企業の履歴書との形式的な違い
英語履歴書では、以下のようにレイアウトや記載項目も大きく異なります。
項目 | 日本語の履歴書 | 英語の履歴書 |
---|---|---|
写真の有無 | 顔写真付きが一般的 | 原則、写真は不要 |
年齢・性別 | 記載するのが普通 | 書かない(差別防止のため) |
フォーマット | 決まった書式が多い | 自由にカスタマイズ可 |
アピール方法 | 経歴を簡潔に並べる | 実績・成果を明確に記述 |
特に外資系では、個人情報(年齢・性別・国籍)に関する記載はNGとされているため注意が必要です。
アピールの仕方が「職務重視」に変わる理由
英語履歴書では、職務経験(Work Experience)と成果(Achievements)をどう伝えるかが最大の評価ポイントです。
「どんな仕事をしてきたか」よりも、「何を達成したか」「どう貢献したか」をアクション動詞+数値で明示することが求められます。
例:
× 「顧客対応を担当」
◯「Handled customer inquiries and resolved over 100 issues monthly, improving satisfaction rate by 15%」
こうした違いを意識して書くことで、世界中の採用担当者に“伝わる”履歴書になります。
英語履歴書に必須の項目とその書き方
英語履歴書(Resume)には、日本語の履歴書とは異なる国際標準の構成があります。ここでは、実務で使えるよう、各セクションごとに書き方のポイントと例文を交えて紹介します。
1. 氏名・連絡先(Contact Information)
履歴書の冒頭に記載するのが氏名と連絡先です。英語履歴書では以下の情報をシンプルに記載します。
記載例
Yuki Tanaka
Email: yuki.t@example.com
Phone: +81-90-1234-5678
LinkedIn: linkedin.com/in/yukitanaka
ポイント
- 生年月日・性別・国籍は記載しない(差別防止)
- メールアドレスはビジネス向け(Gmailなど)を使用
- LinkedInやポートフォリオサイトのURLも任意で追加可
2. 職務要約(Summary / Objective)
英語履歴書では「職務要約(Professional Summary)」や「キャリア目標(Career Objective)」を最初に配置するのが一般的です。
記載例(Summary)
Results-driven marketing professional with 5+ years of experience in digital strategy and campaign management. Skilled in SEO, content marketing, and performance analysis. Proven ability to lead cross-functional teams and deliver measurable results.
ポイント
- 3〜4行で自分の強み・実績・志向を簡潔にまとめる
- 新卒や未経験者は「Objective(応募目的)」形式でもOK
3. 職歴(Work Experience)
最も重要なパートです。最新の職歴から逆時系列で記載します。
記載例
ABC Corporation, Tokyo, Japan
Digital Marketing Specialist, Jan 2021 – Present
Led a team of 3 to launch a new product campaign across 5 regions.
Managed SEO and SEM campaigns, resulting in a 30% increase in website traffic.
ポイント
- 各職歴において「役割」+「成果」を具体的に記述
- 数値(%や件数)を使うと説得力アップ
- 箇条書きで読みやすくする
4. 学歴(Education)
基本的には大学以降の学歴を記載します。
記載例
Waseda University, Tokyo, Japan
Bachelor of Arts in International Relations, Mar 2019
ポイント
- 学位 → 専攻 → 学校名 → 卒業年月の順
- 海外向けには「GPA」や「relevant coursework」を追加することも
5. スキル・資格(Skills & Certifications)
技術的スキル・ソフトスキル・語学スキルなどをまとめます。
記載例
Languages: Japanese (native), English (business level, TOEIC 870)
Tools: Google Analytics, HubSpot, Adobe Illustrator
Soft Skills: Communication, Team Leadership, Problem-Solving
ポイント
- 語学力やPCスキルは客観的な基準(TOEIC点数など)を明記
- 長くなりすぎないよう、3〜5項目に絞るのがベター
6. 語学力の書き方とTOEICスコアの表現方法
英語力を記載する場合、TOEICスコアやCEFRレベルなど、国際的に通じる指標を用いましょう。
英語力 | 英文での表記例 |
---|---|
ビジネスレベル | English: Business level (TOEIC 850) |
ネイティブに近い | English: Fluent / Professional proficiency |
初級レベル | English: Basic communication skills |
英語履歴書でよく使う英語表現・フレーズ例
英語の履歴書では、アピール力のあるアクション動詞(Powerful Verbs)を使って自分の業務内容や成果を明確に伝えるのが基本です。また、日本語では自然でも英語では違和感のある表現も多いため、適切な英語表現を選ぶことが非常に重要です。
ここでは、採用担当者に響く履歴書向けフレーズを、「職務表現」「成果アピール」「自己PR」の3つに分けて紹介します。
① 「担当した」「経験した」をスマートに伝える動詞
英語履歴書では、「担当した」「経験した」などの表現を受け身でなく、能動的なアクション動詞で書くのがポイントです。
日本語表現 | 英語フレーズ例 |
---|---|
~を担当した | Managed / Handled / Oversaw |
~をサポートした | Supported / Assisted / Coordinated |
~に従事した | Engaged in / Involved in |
~を企画・立案した | Developed / Designed / Proposed |
使用例
- Managed client relationships and coordinated monthly reporting meetings.
- Assisted the sales team in preparing pitch materials for key accounts.
② 成果を具体的にアピールする動詞+数値表現
履歴書でインパクトを出すには、成果を具体的な数字とともに示すことが重要です。
アクション動詞 | 用途 | 例文 |
---|---|---|
Increased / Boosted | 売上・効果の向上 | Increased monthly sales by 20% through campaign redesign. |
Reduced / Cut | コストや時間の削減 | Reduced customer response time by 30% via chatbot implementation. |
Achieved / Exceeded | 目標の達成・超過 | Exceeded quarterly sales targets for 4 consecutive quarters. |
Improved / Enhanced | 品質や効率の改善 | Improved team productivity by introducing agile workflows. |
③ 自己PR・キャリア要約で使える英語表現
職務要約(Summary)やObjectiveで使える自然な英語表現は、抽象的すぎず、職務・業界に直結する内容が好まれます。
目的 | 英文フレーズ例 |
---|---|
強みの提示 | Detail-oriented sales professional with a proven track record in B2B negotiation. |
経験のまとめ | 7+ years of experience in project management across IT and manufacturing sectors. |
今後のキャリア目標 | Seeking to leverage my leadership skills in a dynamic global environment. |
使い回せる!英文履歴書の定番フレーズ集
- Spearheaded the launch of a new product line targeting the Southeast Asian market.
- Collaborated with cross-functional teams to streamline internal processes.
- Conducted market analysis to inform strategic decision-making.
- Trained and mentored junior staff to enhance team performance.
- Recognized for outstanding client service and relationship-building.
英語履歴書のフォーマットとテンプレート例【目的に合わせて使い分ける3タイプ】
英語履歴書には、応募職種や経歴に応じて選べる主な3つのフォーマットがあります。ここではそれぞれの特長・適したケース・構成例を紹介し、後半で実際に活用できるテンプレートや入手方法もご案内します。
① Chronological Resume(時系列型/一般的)
特長:
- 最もよく使われるフォーマット
- 最新の職歴から順に、「いつ・どこで・何をしていたか」を明記
- 職歴が豊富な人に最適
構成例:
- Contact Information
- Summary / Objective
- Work Experience(逆時系列)
- Education
- Skills / Certifications
向いている人:
- 転職回数が少なく、職歴に一貫性がある人
- 同じ業界・職種でキャリアを積んできた人
② Functional Resume(スキル重視型)
特長:
- 「何ができるか」に焦点を当てた構成
- 職歴は簡潔に記載し、スキルや実績をセクション別に強調
- 職歴に空白期間がある人や、職種変更を希望する人に有効
構成例:
- Contact Information
- Summary / Objective
- Key Skills & Achievements(カテゴリごと)
- Work History(簡単に)
- Education
向いている人:
- キャリアチェンジを考えている人
- 職務経歴にギャップがある人
③ Combination Resume(ハイブリッド型)
特長:
- ChronologicalとFunctionalを融合
- スキルと職歴の両方をバランスよくアピール
- 中堅〜管理職レベルの転職者によく使われる
構成例:
- Contact Information
- Summary
- Key Skills & Selected Achievements
- Work Experience(逆時系列)
- Education
向いている人:
- 幅広いスキルをアピールしたい中堅層
- 経歴とスキル両面から強みを伝えたい人
英語履歴書テンプレートを入手できるおすすめサイト
サイト名 | 特長 |
---|---|
Canva | 無料でデザイン性の高いレジュメテンプレートが豊富。初心者向け。 |
Zety | 英語ネイティブ向けに最適化されたテンプレートを用途別に選べる。 |
Resume.io | 簡単な質問に答えるだけで完成度の高いレジュメが作れる。PDF出力可能。 |
Microsoft Office / Google Docs | 無料で使える基本的な履歴書テンプレートが多数。使い慣れたUI。 |
補足:テンプレートを使用する際は、自分の職種や応募先企業に合った構成・トーンにカスタマイズすることが重要です。
英文履歴書を作成するときの注意点・NG表現
英文履歴書は形式や言い回しだけでなく、国際的なビジネスマナーや文化への配慮も重要です。特に日本語の感覚でそのまま書いてしまうと、採用担当者に誤解や違和感を与えてしまう可能性も。ここでは、避けたいNG表現やミス、そしてそれに対する対策を紹介します。
① 日本語の直訳になっている表現
NG例:
- “I belonged to the sales department.”(直訳:「所属していました」)
- “I was doing customer support.”(直訳:「~していました」)
改善例:
- “I worked in the sales department as a sales representative.”
- “Provided customer support and resolved inquiries from 50+ clients weekly.”
▶ 解説
「~していました」は英語では行動と成果を主体的に表す動詞で置き換えるのが基本です。受動的・曖昧な表現は避けましょう。
② 和製英語を使ってしまう
NG例:
- “Salaryman”(→ 和製英語)
- “Office lady”(→ 性別差別と捉えられる可能性)
- “My hobby is driving my car and listening to music.”(→ 定型すぎて伝わらない)
改善例:
- “Worked as a full-time employee in a corporate sales role.”
- “Worked as an administrative assistant.”
- “Enjoy exploring new technologies and using data to improve workflows.”
▶ 解説
日本で自然でも、国際的には不適切・不明確な表現になることもあります。英語ネイティブが使う言い回しをリファレンスにしましょう。
③ 文化的にNGな情報を記載している
NG項目:
- 顔写真
- 年齢
- 性別
- 配偶者の有無
- 本人希望欄(希望年収・配属希望など)
▶ 理由
欧米圏では「差別につながる情報」は原則として求められません。書いてしまうとマイナス評価になるリスクがあるため、英語履歴書では職務能力・成果に関係のある情報のみに絞りましょう。
④ 「長すぎる」「読みづらい」文章構成
英語履歴書は要点を簡潔に伝えることが大前提です。
避けるべき構成:
- ダラダラと段落で書く職務説明
- 1つの職歴に5行以上の説明
- 受動態や冗長なフレーズばかり使う
おすすめ構成:
- 箇条書き(bullet points)形式
- 各ポイントは1〜2行、動詞で始める
- 数値・成果・アクションの3点セット
⑤ ポジティブすぎる/過剰な自己主張
「Confident and charismatic team player who can change any organization!」のような表現は、欧米でも過剰に聞こえる場合があります。
▶ 改善のポイント
- 謙虚すぎず、でも客観的な成果に基づいた表現を意識する
- 「自分がどう貢献できるか」にフォーカスする
まとめ:英文履歴書でやってはいけないことチェックリスト
- 写真・年齢・性別を書いていないか
- 英語として自然な表現になっているか(和製英語を使っていないか)
- 実績を数字や具体例で書いているか
- アピールポイントが冗長になっていないか
- 相手(企業・職種)に合ったフォーマットになっているか
英文履歴書をさらに磨く!おすすめツールとチェック法
英文履歴書は「作って終わり」ではありません。完成後の見直し・添削こそが、質を左右する大切な工程です。ここでは、自分の履歴書を“伝わる英文”に仕上げるために役立つツール・サービス・チェックポイントを紹介します。
① 英文履歴書チェックに使えるおすすめツール
ツール名 | 特長 | 無料利用 |
---|---|---|
Grammarly | 文法・スペル・語調の自動チェック。履歴書の英語ミスを即修正 | ○(一部機能) |
QuillBot | 書き換え・言い換え提案に優れた英文パラフレーズツール | ○(制限あり) |
DeepL Write | 自然で洗練された英文を提案。違和感のある日本語訳もサポート | ○ |
Microsoft Editor / Google Docs | Word・Docsに搭載の校正機能で文法ミスを検出 | ○ |
活用ポイント
- 自分の書いた英文をこれらのツールで一度通すだけでも、誤字・不自然さが大幅に減ります
- 特にGrammarlyとDeepL Writeの併用は、ネイティブ感のある英語に近づけるのに有効です
② プロに添削を依頼する方法
英文履歴書の完成度を上げるには、英語ネイティブまたは英語指導経験者による添削も非常に有効です。
方法の一例
- 英文添削サービス(例:Wordvice、ENGLISH JOURNALなど)
- 転職エージェントが提供する英文レジュメ添削オプション
- LinkedInやクラウドソーシングでのフリーランス英文校正者の活用
ポイント
- 業界に詳しい人に依頼すると、「その職種らしい言い回し」も教えてもらえる
- 重要ポジションに応募する場合は、最終チェックはプロに頼るのがベスト
③ 提出前のセルフチェックリスト(10項目)
以下は、履歴書を提出する前に必ず確認しておきたいチェックポイントです:
項目 | チェック済み? |
---|---|
英語として文法・綴りにミスがないか? | ✅ |
フォーマットが一貫して整っているか? | ✅ |
要点は簡潔で、箇条書き中心になっているか? | ✅ |
成果は数値・結果で具体的に示せているか? | ✅ |
年齢・性別・写真などは書いていないか? | ✅ |
職歴の順序は逆時系列になっているか? | ✅ |
アクション動詞で始まる表現を使っているか? | ✅ |
応募先に合った内容にカスタマイズされているか? | ✅ |
ファイル名や形式は適切か?(例:YukiTanaka_Resume.pdf) | ✅ |
第三者(友人・同僚)に見てもらったか? | ✅ |
このチェックとツール活用を行うことで、あなたの英語履歴書は「通じる英語」から「伝わる英語」へとワンランクアップします。
まとめ|英語の履歴書は「構成 × 表現 × 精度」がカギ
英語の履歴書(Resume/CV)は、日本語の履歴書とは異なり、「何をしてきたか」よりも「何を成し遂げてきたか」が問われるドキュメントです。単に翻訳しただけでは伝わらず、構成・表現・成果の伝え方をしっかり設計する必要があります。
本記事では、英文履歴書を作成する上で押さえておくべき以下のポイントを紹介しました
英文履歴書の基本と構成
- 「写真・年齢・性別」は記載しない
- 逆時系列の職歴+具体的な成果を中心に構成
- レジュメとCVの違いを理解する
採用担当者に響く英語表現とアクション動詞
- “Did”ではなく “Achieved, Led, Managed” で始める
- 成果は数値で示すのが鉄則(例:Increased sales by 25%)
フォーマットとテンプレートの選び方
- 時系列型・スキル型・ハイブリッド型を目的別に使い分ける
- Canva や Resume.io など無料テンプレートも活用可能
NG表現と文化的配慮
- 和製英語や直訳表現に要注意
- 欧米圏では「差別にあたる情報」は書かないのが常識
提出前のチェックとツール活用
- Grammarly や DeepL Write などで精度を高める
- プロ添削やセルフチェックリストで完成度アップ
英語履歴書は、単なる職歴の羅列ではなく、あなた自身を“売り込む”ためのビジネスドキュメントです。この記事を参考に、一つひとつの要素を丁寧に磨き上げれば、採用担当者の目に留まるクオリティに仕上げることができます。
あなたのキャリアを国境を越えて伝える一枚を、ぜひ自信を持って届けてください。