「突然、英語研修の担当を任されて戸惑っている」
「どんなプログラムにすれば効果的なのかわからない」
そんな不安を抱えている企業担当者の方は多いのではないでしょうか。
グローバル化が進む中、社員の英語力向上はもはや必須。しかし、現場では「研修が形だけで終わってしまう」「社員のレベルに合っていない」といった声も多く聞かれます。
そこで本記事では、英語研修の設計〜実施までの流れと、担当者が押さえておくべきポイントを徹底解説。
初めて英語研修を企画する方も、すでに運用中で改善を検討している方も、ぜひ参考にしてください。
英語研修の担当になったら最初にやるべきこと
英語研修の成功は「最初の設計」で8割が決まると言っても過言ではありません。担当者として着任したら、まずは以下の3つのポイントを確認しましょう。
社内の英語ニーズを把握する
まず行うべきは、「なぜ今、英語研修が必要なのか?」という目的の明確化です。
・海外出張が増えたから
・社内の共通言語が英語になったから
・顧客対応に英語が必要になったから
など、企業ごとに理由はさまざま。部署・業務ごとに求められる英語力の種類やレベルも異なるため、ヒアリングやアンケートを活用して現場のリアルな声を収集しましょう。
目標レベルとゴールを明確にする
次に重要なのが、研修の「ゴール設定」です。たとえば、
- TOEICスコアを600→750に上げる
- 社内ミーティングを英語で行えるようにする
- 海外とのメール対応・商談ができるようにする
などが考えられます。
目標が曖昧だと、受講者もモチベーションを保ちづらく、成果も評価しにくくなります。達成可能で測定可能な目標(SMARTゴール)を設定しましょう。
現行の研修や学習環境を確認する
すでに英語研修や自己学習制度が導入されている場合は、それらの実績・課題・参加率・満足度などを確認することも大切です。
過去の失敗から学び、社内リソースを有効活用することで、無駄のないプログラム設計が可能になります。
効果的な英語研修プログラムの設計ポイント
英語研修を「やって終わり」にしないためには、対象者に合った学習設計と、成果に結びつける仕組み作りが欠かせません。ここでは、担当者が設計段階で押さえるべき具体的なポイントを、より実務に即した形で解説します。
学習スタイルの選定:形式は「コスト」ではなく「効果」で選ぶ
英語研修は、大きく分けて以下の3形式に分類されます。
学習形式 | 主な特徴 | 活用に向いているケース |
---|---|---|
集合研修 | 対面で講師と双方向のやり取りが可能。集中力・緊張感を保ちやすい | 新入社員研修、短期集中型研修 |
オンライン研修(ライブ or オンデマンド) | 時間・場所を問わず受講可能。全国展開企業に有効 | 拠点が分散している企業、管理職対象研修 |
セルフラーニング(アプリ・eラーニング) | 自主的に取り組める反面、継続の仕組みが必要 | 日常の継続学習、補助教材としての活用 |
おすすめは「ハイブリッド型」です。たとえば以下のような構成が現場で効果を上げています。
- 週1回のオンライン講義(インプット)+アプリでの毎日の発話練習(アウトプット)
- 月1回の集合ワークショップ+期間中はスピーキングアプリで演習
こうした「集合+自習」型の設計は、コストと効果のバランスがとれた実践型学習として多くの企業で導入が進んでいます。
レベル分けの重要性:画一的な研修は「誰にも響かない」
英語力は個人差が大きく、特にビジネス英語の場では「中途半端な英語」が最もストレスになると言われます。そのため、以下のような段階的なレベル設計が推奨されます。
レベル帯 | 特徴 | 研修内容の一例 |
---|---|---|
初級(CEFR A1〜A2) | 簡単な単語・文法は理解できるが会話に自信がない | 文法復習、あいさつ・自己紹介・定型フレーズの練習 |
中級(CEFR B1〜B2) | 日常会話や業務である程度対応可能 | ビジネスメール、会議英語、1分間スピーチ |
上級(CEFR C1以上) | 論理的な説明・交渉・プレゼンができる | ケーススタディ、ディスカッション、即興対応力訓練 |
特に中級者以上になると、「英語を話すのはできるが、適切な表現が出てこない」「正確さに欠ける」といった課題が顕著になってきます。このレベルの層に向けた研修では、“フィードバックの質”が成果を分けるポイントになります。
目的に合った研修タイプ:TOEICだけでは実務力は育たない
研修目的は「スコアアップ」か「実践力の習得」かで大きく設計が変わります。
それぞれの特性を以下に整理します。
タイプ | 主な内容 | 向いているケース | 陥りがちな落とし穴 |
---|---|---|---|
試験対策型(TOEIC・英検) | 読解、文法、リスニング中心 | 昇進条件、外部資格の取得 | 実務で話せるようにならない |
実践型(スピーキング・業務英語) | 発話練習、業務シナリオ対応 | 外資取引・海外出張・商談対応 | 効果測定があいまいになりやすい |
最近では、「TOEICは高得点だけど、会話になると詰まる社員」が多いことから、“スピーキング重視の英語研修”を求める企業が急増しています。
実践で使える英語研修の進め方
英語研修の設計が決まったら、次に重要なのが「どう運用し、どう受講者を巻き込むか」です。ここでは、実際に英語研修を担当した企業人事・教育担当者の実例から、現場で機能する運営ノウハウを紹介します。
企画・提案時に押さえるべき資料とプレゼンのコツ
「英語研修をやりたい」と思っても、上司や経営層を説得できなければ企画は通りません。
そのため、以下の3点を提案資料で明確に提示することが重要です。
- 研修の目的と背景
例:海外顧客の増加に対応/英語を使う部署の要望が高まっている - 成果イメージと指標
例:3ヶ月でスピーキングテストのCEFRランクが1段階UP/受講満足度80%以上 - コスト・リソースと期待効果
例:外部講師型よりアプリ併用型が1人あたり40%安く、継続率も高い
特に最近では、「AIを活用した英語研修」への関心が高まっており、テクノロジー活用を取り入れた提案は説得力が増します。
受講者のモチベーションを維持する工夫
英語研修が失敗する最大の要因は、「途中で続かなくなること」です。そこで、以下のような仕組みと仕掛けが有効です:
工夫 | 内容 | 効果 |
---|---|---|
学習進捗の「見える化」 | アプリやダッシュボードで発話時間や成長を可視化 | 「やれば伸びる」を実感できる |
業務と連動した課題設定 | 実際のメールや会議フレーズを題材にする | 学んだ内容が即業務に使える |
上司からのフィードバック | 定期的に成果を共有し、上司が応援する文化 | 研修が「評価されること」と結びつく |
こうした取り組みがあることで、「自分のため」だけでなく「組織のため」という意識も生まれ、学習の継続率は2倍以上になると言われています。
評価・フィードバックの仕組みを作る
研修を実施するだけでは不十分で、その成果を「見える化」することが社内説得と改善のカギとなります。以下のような方法が現場ではよく使われています:
- 事前・事後のスピーキングテスト(CEFR/Versant等)
- AIアプリによる発話記録・添削ログの活用
- 定性評価(上司・同僚からの英語力フィードバック)
特に、スピフルのようにAIが発話内容を自動で記録・添削し、改善点をフィードバックしてくれるツールは、効果測定とレポート作成の大幅な効率化に貢献します。
このように、英語研修は「制度設計」だけでなく、運営・継続・評価の3点を支える運用設計こそが成功の決め手です。
英語研修を支えるおすすめ外部サービス・アプリ
社内リソースだけで英語研修を完結させるのは限界があります。特に、スピーキングやフィードバックまで対応しようとすると、専門的な指導力や運営ノウハウが必要です。
そこで近年、多くの企業が外部サービスや学習アプリを活用しています。
ここでは、形式別に主要なサービスタイプを整理しながら、研修目的ごとの適切な選び方と、特に注目したい「スピーキング特化型」アプリについて詳しく解説します。
外部英語研修サービスの種類と選び方
サービス形式 | 特徴 | 向いているケース | 注意点 |
---|---|---|---|
集合研修(講師派遣型) | 対面での一体感・集中力が高い。講師との即時対話が可能 | 新入社員・営業職など集団学習が効果的な職種 | 時間拘束が強く、継続性に課題が出やすい |
オンライン英会話(マンツーマン) | 受講者の都合に合わせやすく、会話力が伸びやすい | スピーキング経験を積ませたい個人学習者 | 講師の質やレベルばらつきが大きい |
eラーニング(自己学習型) | リーディング・文法・リスニングの強化に適する | 初心者~中級者の基礎力向上 | インプット中心で発話が少ない場合が多い |
スピーキング特化型アプリ(例:スピフル) | AIによる添削と反復練習でアウトプット力を強化 | 忙しい社員でも1日30分で発話練習できる | 習慣化を促すUX設計があるか要確認 |
なぜ今、「スピーキング特化型アプリ」が注目されているのか?
多くの企業で「TOEIC高得点だが話せない」層が課題となる中、実務で必要なのは“即応力”と“伝える力”です。そこで今注目されているのが、AIを活用したスピーキングトレーニングアプリです。
そこでおすすめなのが、累計2万人以上の英語力を伸ばしてきたプログリットがリリースしたスピーキング特化型アプリ「スピフル」です。

スピフルが英語研修に選ばれる5つの理由
特徴 | 内容 | 効果 |
---|---|---|
① ビジネス英語に完全特化 | 5,000以上の実務フレーズを収録 | 会議・メール・提案など「現場で使える表現」を習得 |
② アウトプット中心の学習設計 | 瞬間英作文+1分スピーチで反射的に話す力を強化 | 「英語が出てこない」を解消 |
③ AIによる添削・分析フィードバック | 文法・語彙・自然さを自動チェック | 講師なしでも「どこがどう間違っているか」が分かる |
④ 継続しやすいUXと可視化機能 | 発話速度や達成度を数値化・グラフ表示 | 学習進捗が見える→モチベーション維持につながる |
⑤ 1日30分でOK+7日間無料体験あり | スキマ時間での学習に対応 | 忙しい社員にも提案しやすい・導入ハードルが低い |
スピフルは、社内の英語研修に“スピーキング重視”の要素を手軽に組み込める実践的な選択肢です。
「一人ひとりに合わせた学習設計」「AIによる客観的なフィードバック」「毎日の発話習慣づくり」という3つのポイントで、確実に実務力へとつなげていくことができます。
研修担当者がよく抱える課題とその解決策
英語研修の成果を上げるために、優れたカリキュラムや教材だけでは不十分です。多くの研修担当者が悩むのは、“制度と現場をどうつなぐか”という運用上の壁。このセクションでは、現場の実例に基づきながら、代表的な課題とその具体的な打ち手を紹介します。
課題①:社員の参加率が低い/途中で継続しない
実際に起こっていること
- 「英語は必要だと思うけど時間がない」という声が多い
- 自主的に学習を進める文化が社内に根づいていない
- 定期研修以外に取り組まない“受け身層”が多い
解決策:継続を生む「構造」と「心理」の設計
- 1回あたりの負担を下げる:15〜30分程度で完結する小さな学習単位を設計
- 学習の「意味づけ」を明確にする:その研修がどうキャリアや日常業務に直結するのかを、研修前オリエンでしっかり伝える
- 仕組み化された継続支援:リマインド配信、チーム対抗戦、週次の進捗共有など、「やらなければ」が自然に生まれる設計を施す
- “目に見える成果”を定期的に提示:個人・チーム別に前回比を可視化することで、小さな達成体験を蓄積
継続の鍵は、個人の意思に委ねるのではなく、自然に取り組める「構造」を用意することです。
課題②:効果が見えづらい/経営層や現場からの納得が得られない
実際に起こっていること
- 「研修に投資したが、業務での英語力が向上した実感がない」
- 上層部に対して成果を数値で示せない
- 教育の成果が“自己満足”で終わってしまうケースが多い
解決策:「見える化」と「成果定義」の再設計
- 目的に応じたKPIの設計
例)メール英語研修なら「英文作成時間が短縮されたか」、会議英語研修なら「発言回数」や「発言の自信度」など - スキルテストの活用(CEFR・Versant・自社テスト)
導入時/中間/終了時で客観的な指標を出す - 現場とのすり合わせ型評価
直属の上司に対して、受講者の“英語業務における行動変化”をヒアリング(定性データ) - レポート・報告書を定型化
受講状況やテストスコアの推移を月次でまとめ、経営層への説得材料として活用する
課題③:現場の理解が得られず、研修が「形だけ」になる
実際に起こっていること
- 上司が関心を持たず、研修を「余計な業務」として捉える
- 業務優先で「学習時間は自分で確保して」という空気がある
- 担当者が一人で企画・運用・説明すべてを抱え、疲弊してしまう
解決策:組織を巻き込む「人と文化」のデザイン
- 部門長・役職者への事前説明会を実施:「研修導入=業務支援の一環」と認識してもらう
- 研修目標をチームKPIに組み込む:「部署ごとの完了率」「全社平均発話量」など、チーム目標にすることで自律的に回る設計に
- 評価と紐づける:人事評価・昇進要件・社内表彰制度などとの連動で研修の“本気度”が上がる
- 担当者一人で抱え込まない:育成チーム・現場マネージャー・教育ベンダーと連携した「共創体制」を作る
英語研修は「教育」ではなく「組織開発」の一環として捉えると、現場も巻き込みやすくなります。
補足:担当者の役割は「すべてを教えること」ではない
英語研修の担当者は、英語の専門家である必要はありません。むしろ必要なのは、
- 経営と現場の橋渡しをし、目的と手段を整理する力
- 社内外のリソースを組み合わせて、最適な学習環境を構築する力
- 継続・成果・評価を仕組みとして設計するマネジメント力
こうした視点で英語研修を再設計すれば、現場に浸透し、やがて“自走する学習文化”へとつながります。
このように、研修担当者が直面する壁には共通のパターンがあり、それぞれに対して設計・運営・社内調整の視点から解決の糸口があることがわかります。
まとめ
英語研修を成功させるために必要なのは、「良い教材を選ぶこと」や「話題のアプリを導入すること」ではありません。最も重要なのは、企業の目的に即したゴール設計と、それを現場で継続可能な形で実行できる学習環境の構築です。
本記事でご紹介したように、研修担当者がまず取り組むべきは以下の3点です
- 何のための英語研修か?を明確にする(目的と成果指標の設定)
- 誰に対して、どのレベルの内容を、どう届けるか?を設計する(ターゲットと研修設計)
- どうすれば続けられるか?を組織の仕組みとして整える(継続と可視化の設計)
また、途中で触れた通り、英語研修の価値を社内で正しく伝えるためには、「学習=自己成長」で終わらせず、業務改善や人材戦略と結びつける視点が欠かせません。
社員個人の努力に頼るのではなく、組織としてどう支援し、どう成長につなげるかを考えることが、担当者としての最も重要な役割です。
英語力は一朝一夕で身につくものではありません。しかし、設計と運用次第で、確実に成長を生み出すことができます。
まずは、できるところから一歩ずつ。あなたの企画と行動が、組織の未来のグローバル力を育てます。