「color」?それとも「colour」?
海外ドラマや英語の教材を見ていると、同じ意味の単語でも綴りや言い回しが少しずつ違うことに気づきませんか?
アメリカ英語とイギリス英語。どちらも「正しい英語」ですが、発音・スペル・語彙・表現の選び方には意外と大きな違いがあります。
特にビジネスの現場では、相手の英語に合わせる柔軟性や、違いを理解したうえで伝える配慮が求められる場面も増えてきました。
「結局、どちらを学べばいいの?」「混ざっていても大丈夫?」と悩んでいる方のために、この記事ではアメリカ英語とイギリス英語の違いを網羅的に解説します。さらに、ビジネス英語としてどちらを優先すべきか、実際の使い分け方や学習のコツまでわかりやすく紹介します。
アメリカ英語とイギリス英語はどう違う?
そもそもなぜ違いがあるのか?歴史的背景と現代英語の広がり
アメリカ英語(American English, AmE)とイギリス英語(British English, BrE)の違いは、単なる「地域差」ではありません。英語がグローバル言語として広まる過程で、アメリカやカナダ、イギリス本国、さらにはオーストラリア・インド・シンガポールなどでも独自の進化を遂げました。
背景には、
- 17世紀以降の移民と開拓時代
- 産業革命やアメリカの経済的影響力拡大
- メディア(映画・テレビ・インターネット)による普及があります。
たとえば、アメリカ英語は国際ビジネスやIT分野で主流となりやすく、イギリス英語はEUや旧イギリス領の国々で使われることが多いです。このような「実用の場」が違いに大きく影響しています。
発音の違い|リスニング力UPのために押さえておきたいポイント
【r音の有無】
- アメリカ英語は「r」を強く発音(car→カール)
- イギリス英語は語尾の「r」を発音しない(car→カー)
【母音の違い】
- bath, can’t, ask など、「a」の音が
アメリカ英語では [æ](バス, キャント)
イギリス英語では [ɑː](バース, カーント)
【t音の処理】
- アメリカ英語は「flap t」(water→ワラー)
- イギリス英語は「クリアなt」(water→ウォーター)
映画や海外ニュースを使い、両方のアクセントを聞き比べるのがリスニング力向上の近道です。
スペルの違い|ビジネス文書・メール作成時の注意点
【主な違い】
- our → or colour(英)/ color(米)
- ise → ize organise(英)/ organize(米)
- re → er centre(英)/ center(米)
【実務でのポイント】
- 国際プロジェクトや英文メールでは「一貫性」が大切。会社やプロジェクトで「どちらの英語を標準にするか」を事前に確認しましょう。
- WordやGoogleドキュメントは校正言語の切替が可能なので、必ず「アメリカ英語」もしくは「イギリス英語」に設定しておくとスペルミスを自動でチェックできます。
語彙の違い|誤解を生まないためのビジネス語彙・生活語彙リスト
意味 | アメリカ英語 | イギリス英語 |
---|---|---|
エレベーター | elevator | lift |
地下鉄 | subway | underground/tube |
ごみ | garbage/trash | rubbish |
ズボン | pants | trousers |
携帯電話 | cell phone | mobile (phone) |
会議や交渉で混乱しないためには、プレゼン資料や議事録では、両方の表現を(カッコ書き等で)併記するのがベストプラクティスです。国際チームの場合は特に有効です。
文法や言い回しの違い|細かな差が信頼感を左右する場面も
- 現在完了形の使い方:
- 英:I’ve just finished.(直近の出来事にも完了形)
- 米:I just finished.(過去形で表現することが多い)
- 集合名詞の扱い:
- 英:The team are winning.(複数扱い)
- 米:The team is winning.(単数扱い)
- 前置詞・助動詞の違い:
- at the weekend(英)/ on the weekend(米)
- shall(英で使用頻度高いが米ではほぼ使わない)
ビジネス英語では、相手の文化・言語の癖に合わせる配慮もコミュニケーション能力の一部といえます。
どちらを学ぶべき?ビジネス英語における使い分け
国・業界・企業によって異なる「主流」
【外資系/グローバル企業】ではアメリカ英語がデフォルトであることが多いです(例:Google, Apple, Amazon, 多国籍のIT系など)。
【欧州・アジア系企業】やイギリス・シンガポールとの取引ではイギリス英語も根強い需要あり。
社内用語集や公式スタイルガイド(Style Guide)を確認する習慣が、国際ビジネスパーソンの基本です。
国際ビジネスで通じやすいのはどっち?
世界の英語話者数(第二言語含む)ではアメリカ英語ベースが主流(米国だけで約3億人、全世界で10億人超)。ただし、欧州や旧英領国では「イギリス式」の発音や語彙が重視されることも。国際会議・商談の事前リサーチが重要です。
結論:どちらが正しい/上かではなく、「ターゲットに合わせて調整できる柔軟性」が評価される時代です。
TOEICやIELTSなど試験での影響はある?
- TOEICリスニング:アメリカ英語(約50%)、イギリス・オーストラリア・カナダ英語も混在
- IELTS:イギリス英語・国際英語がベース(特にリスニング・スピーキング)
どちらかだけではなく、両方に慣れておくことでスコアUPにも直結します。
→【実践アドバイス】TOEICやIELTSの公式問題集は、両方の英語に「実際に耳と口で慣れる」ための教材として活用しましょう。
英語学習者として意識すべきポイント
発音とスペル、どちらを優先するべき?
- 【結論】スピーキング・リスニング重視なら発音>スペル
- ネイティブ同士でも、多少スペルが違っていても意味は通じることがほとんど。
- 一方で、発音が大きく異なると、意図が正しく伝わらないリスクが高い。
混在していても問題ない?実際の運用例
- 実際のグローバル会議やメールでは、両方の表現が自然に混ざることが多々あります。
- 大事なのは「一つの文書・一回の発表の中ではどちらかに統一」すること。
→ スタイルの一貫性が、相手への信頼感につながります。
ネイティブも意外と気にしない?
- ビジネス現場では「意味が通じる」「礼儀やニュアンスが合っている」ことが最重要視されます。
- 一方で、「この人は相手に合わせる配慮ができるな」と思わせることは、信頼構築の武器になります。
- スピフルのAIフィードバックは、こうした「自然な言い回し」や「場に適した英語」も添削・提案してくれるので、表現力の引き出しを増やしたい方に最適です。
スピーキング力を高めたいなら「違いの理解+発話練習」が鍵

「アメリカ英語とイギリス英語の違いは頭でわかっているけど、咄嗟に使い分けられない…」と感じる方も多いはず。特にビジネスの現場では、「とっさに」「状況に応じて」最適な表現をアウトプットする力が問われます。
単なるインプット学習(読解・暗記)だけでなく、「瞬間英作文」や「1分間スピーチ」などのアウトプット練習を繰り返すことで、知識が「使える英語」に変わります。
スピフルでは、4,000以上のビジネス英語例文を使って
- 口頭英作文(瞬発力トレーニング)
- 1分間スピーチ(応用力トレーニング)
- AIによる自動添削・解説
という流れを、スマホ1つ・1日30分で実践可能。発話速度の推移やミスの傾向も可視化できるため、「昨日よりどこが伸びたか」を毎日実感しやすいのも大きな強みです。
まとめ|目的に応じた選択と継続学習が大切
イギリス英語、アメリカ英語にはそれぞれ発音やスペルなどの違いがあります。しかし、英語力の本質は「正解・不正解」ではなく、「相手に伝わるか」「目的を果たせるか」です。
アメリカ英語・イギリス英語、どちらでも使いこなすための柔軟さを大切にしましょう。また、どちらかに統一することよりも「一貫性」と「通じる英語」を意識するようにしましょう。